第71話 尾口先生の怖い話~ベットの下には・・・前編~

「式子君はいるかい?」

部室で宿題をしていると、久々に尾口先生がオカルト研究会に顔を出してくれた。

「尾口先生?どうしたんですか?」

だが生憎、式子さんはいない。

今オカルト研究会にいるのは僕と・・・。

「お~尾口ちゃんじゃん。」

柑奈さんである。

「ははは。柑奈君、部室ではいいけど学校ではちゃんとと呼んでね。」

「へ~い。」

「それで式子さんに何か用事ですか?僕でよければ伝えておきますよ?」

「いやいや。用事ではなくてね。新しい怖い話を聞いて来たからぜひ式子君に聞いてもらおうかなってね。」

「そうだったんですね。良ければ僕たちにも聞かせてくださいよ。」

「そうだよ尾口ちゃん。式子ばっかりズルいって。」

「ははは。じゃあお言葉に甘えて話そうかな。」

尾口先生は椅子に座り、腕を組む。

「これは友人から聞いた話でね・・・。」

どんな話か楽しみだ。


女子大生のA子は長年の夢だった一人暮らしをする為のマンションを今年購入することが出来た。

親に無理を言ったが後悔はしていないA子。

初めての一人暮らしの夜、A子は妙な感じがした。

「ふわぁ~。明日から大学か~。友達出来るかな~。どんな講義があるかな~。」

それは明日の大学生活の幕開けを楽しみにしていた時だ。

風呂から出たA子はベットのある寝室に入ると、何かの視線を感じた。

不思議に思い、周りを見るが誰もいない。

当たり前のことだが、この部屋にはA子以外には誰もいないはずである。

「・・・気のせいかな?」

その日は気にも留めずにA子は眠りにつきました。

次の日、入学式を終えた後、大学の説明を聞き終えたA子はマンションに帰り、昨日と同様に夕ご飯を食べて風呂に入り、寝室に入りました。

けれど、昨日のような視線は感じません。

「やっぱ気のせいだよね~。事故物件とか嫌だから高い所にしたんだし~。」

A子は明日の準備を早々に終えて、眠りについた。

それから少ししてまたしてもA子は妙な感じを覚えた。

それはやはり寝室に入った時である。

またしても視線を感じたのである。

「またぁ?」

周りを見てもA子以外には誰もいない。

「気のせいだと思うんだけどな~。」

変な感じはしたが、疲労に勝てず、A子は眠りに着いた。

そしてまた少ししてA子は寝室で同じような視線を感じたのである。

「本当になんなの?もしかして盗撮!?」

気になったA子は次の日大学を休み、警察に相談に行った。

「一人暮らしのはずなのに、視線を感じたんです。」

「そう。他には誰もいなかったのよね?」

「いません。」

A子が相談した婦警はとても親身になってくれた。

「一応、調べてみましょうか?」

「お願いします!」

婦警さんは機材をもってA子の家を訪ねました。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る