第70話 麒麟園さんの怖い話~猿夢後編~
「今日も疲れた~。」
疲労からAさんはベットに横になり眠ってしまいました。
『え~次は~次はえぐり出し~えぐり出し~。お見逃しなく~うきき。』
「え!?」
気がつくとAさんはあの夢の中にいました。
Aさんが確認するように後ろを向くと、前に見た時と全く同じ夢の内容が目の前で起きていました。
「嘘でしょ!?」
Aさんが驚愕しているうちに二人の小人は女性の眼球をえぐり出し終わり、ニタァっと笑みを浮かべていました。
(やばいやばいやばいやばい!?夢から覚めなくちゃ!?)
慌てて夢から覚めようと足掻きますが、なかなか目が覚めません。
(ふざけるな!夢から覚めてよ私!?)
『え~次は~次は挽肉~挽肉で~す。お待ちかねのお客様~大変お待たせしました~。うきき。』
「ウイィィィン」
聞き覚えのある音がゆっくりとAさんに近づいてきます。
(夢よ覚めろ!夢よ覚めろ!夢よ覚めろ!夢よ覚めろ!!)
音が近づき、前よりも風が頬に当たる。
(嫌だ!嫌だ!嫌だ!お願いだから起きてよ私!?ねぇったら!!)
ギュッと目が潰れるぐらい閉じてい願いました。
すると音は止み、風も感じません。
(に、逃げれた?)
願いを込めながら目を開けると、朝日が差し込む自分の部屋でした。
「よ、良かったぁ。」
ホッと息を吐いた時です。
『もう!ま~た逃げるんですか?仕方がないですね~。だけど、次に来た時は最後ですからね~。うきき。』
Aさんのすぐ後ろからあのアナウンスがハッキリと聞こえたのです。
「それからAさんは今もなお、夢に怯える日々を過ごしている、でありマス!」
背筋が凍るほどに怖かった・・・。
「どうでありましたかな?高宮兵。」
「すごく怖かったです!本当に体験しているような気分ですよ!」
「ぐふふ。高宮兵がこんなに喜んでくれると、自分も探したかいがありましたよ~。いや~良い笑顔ですね~。」
そんなに喜んでいたのかな?僕。
「これからも高宮兵が喜ぶような怖い話を探してくるでありマス!」
「それは嬉しいです!僕も麒麟園さんを楽しませるような怖い話を用意してきますね!」
「ぐふふ。それは大変嬉しいでありマスな~。高宮兵の怖い話はワクワクしますからな。」
なんかいい雰囲気になってきたなぁ。
正直、最初程麒麟園さんに残念感を感じないし、むしろ結構好印象かもしれないな。
「二人の世界を割るようで申し訳ないが、私のことを忘れないで欲しい。」
いつの間にか式子さんが僕の隣に!?
「おお!式子総司令!いつお越しでありマスか?」
「今だ。」
式子さんに抱き着かれているけれど、感触が虚しいことは黙っておこう。
まだ死にたくないし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます