第66話 オカルト研究会に相談事~真壁君解決編~
「とても面白い話をしているじゃないか優君。」
声のする方を向けば微笑む式子さんが立っている。
「式子さん。」
「誰だ?」
「式子先輩はこのオカルト研究会のリーダーだよ。」
「へ、へ~。」
「大体の話は聞かせてもらったが一点だけ彼に聞きたいんだが、いいかな?」
「は、はい!」
おや?なんか真壁君の頬が赤いような・・・風邪かな?
「そのお爺さんは緑色の帽子を被ってなかったかな?」
「そういえば・・・緑色のニット帽を被ってました。」
「なら確定だ。それは
「ふうじい?それは何ですか式子さん。」
「風爺。特定の地域で流行っている噂話、いわゆる都市伝説に近い存在かな。」
「都市伝説?」
「ああ。風爺はいつも公園にいる。けれど、姿を見せることはない。姿を見せる時は寂しい時だけだそうだ。」
「寂しい・・・爺さんは寂しかったんですか?」
「おそらくね。記憶が無くなるという話は聞いていないからおそらく君にだけ見えていて、残りの二人はそもそも眠っていたのかもしれない。」
「じゃ、じゃあ!何で俺にだけ見えたんですか!?」
「さぁ?」
「・・・へ?」
「なぜ君にだけ見えたのかは知らない。仮説を立てるなら君が気に入られたから。君に少なからず霊感のようなものがあったから。偶然見えたのか。いくらでも出てくるが真実はわからない。何故ならどこまで行っても都市伝説は都市伝説。信じるも信じないのも決めるのは君自身だ。」
「俺・・・自身・・・。」
式子さんのハッキリとした物言いに真壁君は心が軽くなったのか、少しだけ表情が明るい。
「なんか、スッキリしたような気がします。」
「そうか?お役に立てなのなら良かったよ。」
「はい!」
「ところで君は部活は入っているのかな?」
「え?」
あれ?この流れって・・・。
「君もこれをきっかけにオカルトに興味を持ったんじゃないか?この世界は広いからな、いくらでも不思議な現象、奇妙な現象、恐ろしい現象などなど。多数存在している。」
「は、はぁ。」
「君が今回体験した出来事は一部に過ぎないのだ。もしかしたら本当の真実を活動を通して知ることが出来るかもしれない。そこでどうだろうか?君もこれからはオカルト研究会に入って探してみないか?君自身に起きた出来事の真実を。」
「いや俺は・・・。」
「安心しろ。他の部活に入っていても活動に参加することは可能だ。君が望むなら部活に支障のない範囲内で・・・。」
「真壁君、悩みは解決できたかな?」
「あ、ああ?」
「それじゃあ良かったよ。さぁ、戻ろうか?」
「う、うん?」
式子さんごめんなさい。
「君は運がいい。私自らの勧誘で入るということは試験を突破したともいえるのだ・・・?む?皆は何処へ行った?」
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