第15話 高宮君と式子さんの普段の話~その1~

現在の高宮君にとって、金曜日は来てほしくない。

何故なら次の日が土曜日で、学校が休みだからだ。

「はぁ~。」

「君は部室に来るなりなぜため息を吐くんだい?」

本を読んでいた式子さんが話しかけてくれる。

「いや、前までだったらそんなことなかったんですけど、今は金曜日が少しだけ嫌いで・・・。」

「ふむ。変わった感性の持ち主だね。」

なんか話を片付けられそうなので急いで確認取ろう。

「あの確認なんですけど、オカルト研究会は土曜日は、その、活動なんかは・・・。」

「ないな。」

ハッキリと言われて落ち込む。

「土曜日は尾口先生が無理だからオカルト研究会の活動があるのは日曜日だ。」

「へ!?日曜日はあるんですか!?」

「ああ。午前10時から活動だよ。」

心の曇り空に太陽が差し込む。

「いや~そうだったんですね!」

「うむ。その日しか活動できない仲間もいるからな。」

「え?そうなんですか?・・・そういえばオカルト研究会の仲間ってどれくらいいるんですか?」

「私たち二人と尾口先生を含めて六人だな。」

ということは、後三人も仲間がいることになる。

「へ~。どんな人なんですか?」

「皆面白い話を持ってくるよ。」

「・・・えっと・・・。」

どうやら式子さんにとっては話の方が大切そうである。

「じゃ、じゃあ日曜日には全員揃うんですか?」

「いや。」

「はい?」

分からなくて聞き返してしまう。

「一人は普段他の部活に顔を出しているから日曜日にしかオカルト研究会の活動に参加できない。もう一人は他の学校の生徒でな、気まぐれでオカルト研究会の活動に参加するぐらいなもんだよ。」

それもそうかと思う。

尾口先生を抜いても五人いるのなら部活になっているだろうし。

「あとの一人は・・・よくわからない。」

「よくわからない?どういうことですか?」

「いつも月の終わりに顔を出してくるんだ。普段何やっているのか、どうして頻繁に活動に参加しないかは私にもわからない。」

流石はオカルト研究会、仲間も謎が多いって思うべきなのかな。

「何にしろ普段の活動では私と優君、時々尾口先生ってところだな。」

「なるほど。ちなみにもう一度聞きますけど、どんな人たちなんですか?」

「面白い話を持ってくる者、興味深い話を持ってくる者、奇妙な話を持ってくる者だな。」

「ですよねー。」

やはり式子さんはお話しの方が大切なのである。

「ちなみにその流れで僕と尾口先生を紹介するならどんな風に・・・。」

「ふむ。優君に関してはまだ活動が浅いから紹介しづらいな。尾口先生は聞き専と紹介するな。」

「本人も言っていましたしね。」

「さて、退屈な話は終わりにして、今日も話そうか。」

怪しげな、それでいてとても楽しそうに式子さんは笑った。

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