第62話 パスワードメール

 随分、前からだ。迷惑メールフォルダを覗くとアカウント名とパスワードをタイトルとしたメールが散見される。間違いなく私が何処かで用いたアカウントとパスワードだ。それが一種類ではない。私はパスワードを使い回すことはないので、それだけでも複数のサーバーから情報が流出したことが分かる。


 勿論、使用した場所を覚えていればそのサービスからは即座に退会する。だが切りがない。


 「パスワード等、個人情報が流出しました」


 告知している企業、団体、サービスは良心的だ。しかし私が退会したもの達の殆どは黙っている。


 で、そのメールの内容である。


「お前のコンピュータは乗っ取った。ビデオも写真もデータは全てこちらにある。公開されたくなければビットコインで〜」


 当然、英語である。スパムフィルターに弾かれているくらいだから在り来たりの文面なのだろう。これに引っ掛かる人、居るのか、と感じるが連日、送られてくることから、ある程度の「成果」を上げているものと思われる。


 世の鯖缶、いや、サーバー管理者よ、脆弱性を突かれるのも良くないがクラック、漏洩を隠すのも良くないぞ。それとも「やられた」ことにさえ気付いていないのか。


 まぁ、もう何処にも安心安全はないということだ。皆さんも心されたい。


 と締めようとする私のPCも穴だらけなのは言うまでもない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る