第13話 黒い空

我が庭の天井には星がない。

いや、三つほどなら数えられる。

空気が澄み渡った夜に。


光害というらしい。

星より空が明るい。

我々住民の営みによって。


調べてみると


光害防止条例

光害対策ガイドライン

サーチライト禁止条例

星空憲章

美しい星空を守る光環境条例


小学生の頃、学校のキャンプで見事な星空を仰いだ。

先生に言われるまま草原に寝転がって。

吸い込まれるような漆黒の空間が、そこにはあった。


大学時代、流星群を眺めようとドライブしたこともあった。

また黒い空を見た。


それから何年だろう。

天の川も満天の星も縁がない生活。


一年に一度、深夜の数時間。

街の灯を落とすというのはどうだろう。

それを始めるなら、この街がいい。

Planetarianの舞台となった、この街が。

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