第15話 SNSが怖い

どろどろオイルの14話はスルッと流して15話。


小説系SNS的な面もある、ここで話をするのも何だが。

どうも近年SNSが苦手である。


以前はTwitterを頻繁に活用した。

その前は十数年ブログも書いた。

なのに何故。


うーん、写真系SNSとも言える某共有サイトが原因っぽい。


私は写真を撮るのが好きだった。

空いた時間を見付けてはシャッターを切った。

とっておきの一枚を得るためなら労は厭わない。

数ヶ月連続して十キロ以上の機材を両肩に提げる事もあった。

結果、自分なりに「綺麗」な写真をアップロード可能になった。


そうするとコメントが付いたりfav、今なら「いいね!」、が押されるようになる。

失礼がないよう返信し、コメントをされた方の写真も拝見する。

それを繰り返す内、view数が、とんでもないことになり出す。

寝る前にポンと一枚、置くと朝、二万viewを超えていることもあるのだ。


View、つまりここでのPVである。

「こんなに期待されている」

勘違いかも知れない。

しかし私は応えようと撮影、投稿を続けた。


好循環なのか悪循環なのか。

コメントにはもう目を通しきれない。

Favの数は漠然としか映らない。


限界が来た。

疲れたのである。

多分、写真を撮り期待に応え続けることだけではない。

コミュニケーションに疲弊したのだと思う。


そんなとき体調が悪化した。

重い機材を運べなくなった。

冬の夜景も身体に堪える。

暫く室内での物撮りで誤魔化していたが。

糸が切れた。

写真だけでなくTwitterも止めた。

アカウントはそのままで。


シャッターボタンに触れなくなって、三年半以上。

どうなっているかと某写真共有サイトを覗いた。

主を亡くしたページなのに少なからず来訪がある。

千三百万viewを超えている。

勿論、いいね!やコメントの数は減っている。

四年も経てば退会した人もいる。

私の活動に見切りを付けコメントを削除した方も多いだろう

それでもstatsを見ると安定してviewがある。

同じ写真を眺めに来る人は少ないだろうから検索からかな。

この写真、本当に必要とされているのかな。


ここになんとなくだが、また撮らねば、と感じる私が居る。

幸い機材はきちんと保管されていた。

体だけではなく心もいくらか病んでいたみたいで。

電池までは気が回っていない。

リチウムイオンバッテリーは買い直す必要がありそうだ。


ドライボックスを開け機材が「使える」事を確認した私は迷っている。

撮るべきか撮らざるべきか。


次にシャッターを切る時、何かが見えるのかも知れない。


ただ確かなことが一つある。

もう以前と同様のコミュニケーションはしない。

最低限の会話は行うつもりだが。


写真が評価されいるのか、そうではなかったのか。

自信が無くなっては元も子もない。


「綺麗」なだけではない本物になりたい。

強く願う。


ちなみに私の写真の多くはCC BY-SAとしている。

意味が分からない方はお調べいただきたい。

「勝手に使っていいよ」

某サイトに辿り着いたなら。

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