第9話 オイルが無い
今回は専門的な話なので興味がなければ飛ばしていただきたい。
10W-40のオイルが無い。
正確には高価なオイルが少数なら店頭にある。
以前はポピュラーだったのに。
車に詳しくない方には何を言っているか分からないだろう。
10W-40というのはエンジンオイル、潤滑油の粘度規格だ。
粘度、即ち粘りけである。
Wの前の部分、10は冷えている時の粘度。
後の40は熱い時の粘度。
数字が大きいほど粘りけがある。
ネバネバして硬いのだ。
最近の車は低燃費、省エネ指向だ。
燃費を稼ぐためにはエンジンの回転抵抗を減らす必要がある。
オイルの粘度が高いと当然、それは回転の妨げとなる。
そこでオイルの粘度を下げサラサラにする。
結果、自動車用品店で扱うオイルは低粘度のものが主流となった。
5W-20、0W-20、中には0W-16なんていうのも。
これらは私の車には使えない。
メーカー指定は10W-30。
高回転を多用するためには
「上は40」
と多くの人から聞いている。
粘るほど部品の保護には良いのだ。
それを証明するかの如く二輪車用オイルは今も40又は50だ。
兎に角30を下回ってはならない。
高回転時に油膜切れを起こし最悪、エンジン損傷に至るらしい。
下は0W、5Wを試したが、エンジンのメカノイズが大きくなる様に思える。
メカノイズとはエンジンからのチャガチャとした騒音だ。
で、今回、行った店では10W-40は三つしかなく、お高い方から
競技用全合成油
輸入車、高回転使用車推奨全化学合成油
高負荷スポーツ車対応部分合成油
私は中央の全化学合成油を選んだ。
交換、始動。
前回、仕方なく0W-30を入れていた所為か明らかに静かになった。
走ってみる。
超スムーズ。
エンジンが変わったかと感じるくらいだ。
勿論、入れ替え前の旧オイル劣化もあるが。
やはりメーカー指定以外、規格外のオイルを使用してはならない。
オイルメーカーよ。
低燃費車のことばかり考えず高負荷車も存在することを忘れないでくれ。
二極化させないで中間価格帯でちゃんとラインナップを維持してくれ。
現実が厳しいのは知っている。
ハイブリッドカー、アイドリングストップ車、低速トルク重視ロングストローク。
道路を埋める車の多くはそれらだ。
しかし一部にはガンガン回しまくる事を目的に設計された車も未だ在る。
オイル屋のプライドがあるなら全車をカバーするべきだ。
老兵は今日も死なず。
我が4A-Gは咆哮を上げる。
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