中三病
水谷一志
第1話 中三病
一
俺はいわゆる、「中三病」だ。
つまり、中二病の上を行く存在だ。
二
ところで皆さんは、「中二病」という言葉を知っているだろうか?
これはネット辞書の説明によると、「中学2年生頃の思春期に見られる、背伸びしがちな言動」のことである。
具体的にはこれから見ていくが、とにかく俺はことごとく中二病の上をいっている。
三
例えば、俺は洋楽なんかよりも、今売れているアイドルソングが好きだ。
周りの中二病の人間は、「アイドルなんてダサい。俺は洋楽が好きだ。」と言っている奴もいるが、俺にしてみればそっちの方がダサい。
なぜなら俺は中三病、中二病の奴らの反対、いや上をいく存在だからだ。
四
他にも、中二病の奴らはカッコつけてコーヒーなんか飲んでいるが、俺はそれとは逆にオレンジジュースを飲む。何が「大人の世界」だ!俺はその上を行っている。
あと俺は流行りのバンドを「売れる前から知っていた」とは決して言わない。あくまでミーハーにこだわる。中二病の奴らはカッコつけて自分は「音楽通」だと語るが、俺はそんな態度が「中二病」っぽくてダサいと感じる。
五
あと詳しく知ってもいないのに、カッコつけて「反米」を気取る中二病の奴らがいる。そいつらは、「アメリカって汚ねえよな。」と平然と言う。
そして俺は思うのだ。
『こいつら、何もアメリカのこと分かってねえよな。』
と。
…確かに俺も勉強不足ではあるが、カッコつけて反米を気取ったりはしない。
俺は基本的には「親米」路線だ。
六
そんな中、俺は中二病のとあるクラスメイトたちに言われる。
「お前さ、はっきり言ってダセえよ。」
俺はそのクラスメイトたちの言葉に怒り、こう言い返す。
「は?お前らは中二病だろ?そっちの方がダセえよ!
そうお前らは中二病。でも俺はその逆、上を行く【中三病】なんだからな!」
するとその場から失笑が漏れる。
「ハハハハハハ!」
「…何がおかしいんだよ?」
「お前、俺らのこと【中二病】だと思ってんの?」
「…違うのかよ。」
「お前やっぱりダセえな!
俺らは【中三病】の上、逆を行く、【高一病】なんだよ!」 (終)
中三病 水谷一志 @baker_km
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます