初めてのハイヒール
「さて、皆さん正装の燕尾バニーになったことですし、入学時の行われる講堂へ向かいましょう!教室の前の廊下に2列に並んでください!」
「はーい!」
朱峰がそう指示すると、1年月組の生徒一同は机から移動しようと動き出す。
しかし…
「うわわっ…」
「痛っ…!」
「待ってー!」
(あ…足がヨボヨボと不安定になってる…)
牧や道那を始め、殆どの生徒が10㎝もの高いヒールを履くのが初めてだったもので、生まれたての小鹿状態と化してしまった。
「ハイヒールを履いたことのない人は最初は歩きにくいかとは思いますが、顔をあげて背筋をピンと伸ばせば歩きやすくなりますよ!」
(背筋をピンと…背筋をピンと…)
朱峰の指導通りに牧は顔をあげて背筋を伸ばして歩くと、足の重心がヒールの先に落ちていくのを感じていった。
(本当だ!しっかりとした姿勢だと足が安定する!けども…バニースーツってそれでも意外と歩きにくいなぁ…)
「バニーガールの品のあるきれいな歩き方は一朝一夕では身に付けられるものではありません!きれいに歩けるようになるにはバニーガール姿になって正しい姿勢で慣れるしかありません!この学校でバニーガールの品のある正しいハイヒールの履き方を身に付けていきましょう!」
「はーい!」
「それでは今言ったように背筋を伸ばして顔をあげて、まっすぐに立って廊下に並んでください!」
「はーい!」
1年月組の生徒一同は朱峰の指導通りに背筋を伸ばし、何とか足元を安定させて廊下に向けて歩き出した。
「ねぇ牧ちゃん、ハイヒール二人で歩いてみない?」
「そうだね」
道那が牧と手をつなぎ、廊下へ一緒に歩きだす。
(んんっ?)
牧が道那の胸元を見ると、道那の乳房はヌーブラによる寄せ上げがなくとも発育が極めて進んでおり、既にEカップはあった。
(そんな…道那ちゃん…いつの間におっぱい育っていたなんて!?)
教室の外に1年月組の一同は2列に並んだ。
「はい、ではハイヒールの足元に注意して、何回も言うけど顔をあげて背筋を伸ばした態勢をキープしたまま歩けばきれいな歩き方が身に付きますよ!講堂まで歩いて体で覚えましょう!」
「はーい!」
「それでは1年、出発します!」
こうして女子兎高等学校の入学式が始まった。
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