入学式
初めてのバニースーツ
「はい、みなさん席についてくださーい!」
1年月組の教室に入ってきたのは、黒いバニースーツに黒い燕尾ジャケットに身を包んだ、茶髪をロングカールにした高身長のモデル体型の燕尾バニー姿をした大人の女性だった。
「はじめまして1年月組のみなさん、この度は入学おめでとうございます。私はこの1年月組のHR担任及び生活指導を務めます、
「よろしくお願いします!」
(これが私のクラスの担任の先生…!美人さんでモデルさんみたいな先生に教わるなんて…!)
川井朱峰と名乗る月組クラス担任の自己紹介に、月組に集まった1年全員が頭を下げて挨拶する。
「さてこの後入学式ですが、入学式には校則に従い、式典用に定められた黒のバニースーツ並びに長袖燕尾ジャケットを着用し、先生のような黒バニーガールになって頂かなくては出席することができません」
牧達にはまだ生徒手帳が配布されていない為に確認する事は出来なかったが、女子兎高等学校では、入学式等式典用に黒色のバニースーツが用意されており、それを着用することが義務付けられている。
初登校時牧達の机の上に用意されていたバニースーツ一式は式典用の黒バニーガールのだった。
「みなさんは多分本物のバニースーツを見るのは初めてだと思いますし、着方もわからない人が殆どではないかと。そこで私が直接今ここで正しいバニースーツの着方を指導します!」
「本当ですか!?」
「ありがとうございます!」
「助かったぁ…」
(美人モデル教師から直接バニースーツの着方を教えて貰えるなんてラッキー!)
バニースーツの着方を指導して貰えると聞いて感謝し、安堵する1年一同。
「では早速着てみましょう!言うまでもなくこの教室で一旦下着まで脱いで全裸になってください」
「ええぇ…っ!??」
(ええーっ!?)
「ブラジャーとかショーツまで脱ぐんですか!?」
朱峰の「全裸になれ」の指示に引く1年一同。
「てっきり今着ている下着の上に着るものだと思ってた…」
「うんうん!」
「バニーガールの
(それは…!)
「Tバックとヌーブラです!」
「すっげー!」
「わぁ際どい!」
「これも本物初めて見た!」
「Tバックとヌーブラ両方ともみなさんの大きさに合わせたサイズのを用意してあります。無い人いませんか?」
「ありまーす」
(すごい…Tバックとヌーブラ…雑誌やネットでは見たけど本物を生で見るのは初めてだ…)
各机の上にはバニースーツ一式の中にTバックとヌーブラがあり、牧はそれぞれ両手に持って見ていた。
「それでは早速脱いで下着をTバックとヌーブラに替えてください!」
「はーい」
朱峰の合図と共に1年一同は着替えを開始した。
(ふええ…教室で全裸になるなんて…中学校までの運動着への着替えにしても下着止まりだったのに…恥ずかしいよぉ…)
牧は私服である中学校のセーラー服を脱いでいる間、ちらっと周りの同級生を見渡してみた。
(やっぱりみんな大人っぽいなぁ…15、6歳になるとみんなああなっちゃうのか…さすが女子高生は違うなぁ…ってオラも
心の中で1人ツッコミをしながらブラを外し、ショーツを脱いで全裸になると、露わになったAカップのプクッとした胸元と陰部を両手で覆って立ち竦んだ。
(ひええ〜下半身から…スースーする…)
「さて、みなさん羞恥心に打ち勝ち、全裸になりましたね?一人前のバニーガールへの第一歩はバニーガールに変身するときに羞恥心に打ち勝つ心を持つこと!あなた達の
(教室で全裸にさせたのは私達をさらに試していたいたのか!?)
「では、Tバックの穿き方ですが、クネクネと腰を振りながら穿くとスムーズに食い込みます」
「はーい」
(初めてのTバック!よぉし!)
牧は袋からTバックを取り出すと右脚から入れ、朱峰に言われた通り腰を振りながらゆっくり穿いて股とお尻に食い込ませ、腰の辺りを微調整する。
(これ結構食い込みキツい…)
「みなさんTバックは穿けましたか?」
「はーい!」
「では次に胸、ヌーブラを付けます!ヌーブラはご覧の通り紐無しシリコン製なので、付け方にコツがあります!」
(きた!ヌーブラ!)
牧は袋からヌーブラを出して手に取り、広げて付ける構えを見せた。
「その前に胸が小さい人は予め背中や腋、お腹のお肉を胸に集めてください!そうすればヌーブラも付けられる大きさのおっぱいになりますよ!」
「お腹の贅肉?」
「上半身の余分な脂肪はみんなおっぱいに行っちゃえ!寄せて寄せておっぱい大きくなぁれ!ってイメージしながら弛んでる部分を胸に向かってゴシゴシっとね!」
「なるほど!」
(そうか!その手があったか!)
朱峰の指導通りに牧は自身の上半身からありったけの脂肪をAカップの小振りな乳房に掻き集めて寄せた。
(このくらいかな…?言われた通り本当におっぱいが膨らんだ…)
「さて寄せたらお肉げ逃げないように、アンダーバストより指一本以上下に来る位置から吸着させます。この時ヌーブラのホックがおへそを向く位置で八の字になる様、吸い着けてください」
「すごーい!」
(本当だ!吸い着いた!)
「吸い着いたのを確認したならヌーブラのホックを合わせてください!あとは各自胸の位置を調整すれば、これでヌーブラの付け方は以上です!」
「す、すごい…肩紐もないのにおっぱいにくっついて離れない!!しかも無いものと思っていた私のおっぱいがこんなにも膨らんで…!?」
牧は改めて自分の乳房を見るとヌーブラによって寄せて上げて出来た乳房はAからCにカップアップなっていた。
(こんな装着感…は…初めて…ああっ…すごいっ…す…吸い付く…気持ちいい…!)
牧は乳房に吸い付くヌーブラの感触に今までにない快感を覚えていた。
「さて、皆さんヌーブラを無事付けれたみたいですので、次にストッキングを穿きます!バニーガールの場合は切り替えなしのオールスルータイプを使います」
(ストッキングにもいろんな種類があるんだ…)
「ストッキングを穿いたらストッキングと足のラインを揃えてください」
牧はストッキングを袋から取り出し、両脚にゆっくりと穿き上げ、足のラインを調整した。
「ストッキングを穿いたなら次は網タイツです!網タイツは決して生脚の上に穿かずにストッキングの上に穿くようにしましょう!」
(すごい…ストッキングにしても網タイツにしても穿き心地が全然違う…高級品だ…)
「上まで穿ききったら後ろの線、バックシームを真っ直ぐに直しましょう!バックシームはお尻と脚を綺麗に見せる為の必須アイテム!後ろから見ても美しくしく見せる為に重要なポイントです!」
(こう…こうかな…?)
-クイ
牧は網タイツ全体をズラしてバックシームの位置と線をなんとか脚の裏とお尻に合わせた。
「では、ここまで来たらいよいよバニースーツ本体、バニーコートです!」
「きたー!!」
(ついに本体きた!)
「バニーコート本体を出して、その前に尻尾をお尻部分にあるスナップボタンで装着してから着ましょう!着込んだら後ろのチャックで閉じると胸元がポロリ防止のため、ボーンでさらに寄せて上げられるので谷間を作って調整しましょう」
(いよいよだ…いよいよバニースーツを着るんだ…)
ドキドキする胸の鼓動と共に牧はバニーコートに脚を入れ、胸まで一気に引き上げた後に背中のチャックを自分で閉じ、胸元を調整して装着した。
(これでいいのかな?それにしても…体が引き締まる…おっぱいがさらに大きくなってる…!)
「バニーコートの調整は終わりましたね?」
「はーい!」
「では箱からハイヒールを取り出してください!10cmの黒いピンヒールですよ!」
「すごいツヤツヤ!」
「高級品だコレ!」
「ハイヒールを履くことによって常に背筋がピンと、いい姿勢を保つ事はモチベーションを保ち、周囲から美しく見られる必需品です!」
「なるほど!」
牧は早速ストッキングと網タイツ越しの足をハイヒールに入れたが、
(なるほど…確かに視野が高くて広くて見えるけど…いかんせん安定しない…!)
ハイヒールを履いた脚はブルブルと小刻みに震えていた。
「では次に腕に付けるカフスとカフスボタンです!
「はーい!」
(こうかな?外側を向くように…)
牧は袋から長いカフス本体と銀色のカフスボタンを取り出し、指導通りに慎重に装着させた。
「みなさんカフスボタンを付けれたみたいですね?では続いて蝶ネクタイと、それを付ける首回りの
「はーい!」
「蝶ネクタイはウサ耳に次ぐバニーガールのフォーマルさと可愛さの象徴!常にヨレっとしているのではなくピンっとさせて置くためにも最も細心の注意を払いましょう!」
「はーい!」
(確かに!)
「では、
(んん…?これ結構難しい…?)
「そして蝶ネクタイを
(簡単そうで難しい…)
牧は袋から
「ではいよいよ、肝心要のウサ耳ヘアバンドの付け方です!」
(ようやっとここまできたー!)
「ウサ耳ヘアバンドはただ付ければ良いのではなく、付けたら安易に落ちないようにヘアバンドの両端部分をヘアピンで留めてください!あとウサ耳は折り曲げれますが、式典時は折り曲げずに真っ直ぐにピンと立てたままにしておいてください!」
「はーい!」
(いよいよだ…このウサ耳を付ければ…)
牧はドキドキと高鳴る胸の鼓動と共に、自身のおかっぱ頭に大きめで太めのピンと縦に長く張ったウサ耳ヘアバンドを上から垂直に装着し、それをヘアピンで留めた。
(あれ?ウサ耳ヘアバンドって意外と重い?)
「これで、ベーシックなバニーガール姿の完成です!!」
「きゃーかわいいー!!」
「すごーいいつもの私と違うー!!」
着付けが終わり、バニーガール姿になった自分に興奮する1年月組の一同。
「こ…これが本物のバニースーツ…!」
(私、とうとう本物のバニースーツを着れたんだね!?)
牧は正真正銘のバニースーツを着る夢が叶い、喜びに溢れていた。
-パン
両手を叩いて朱峰が一同の目を向けさせる。
「はい!みなさんが今ここまで着てきたのはバニーガールの基本形態、即ち平服です!入学式に出る為には正装にならなくてはなりません!バニーガールの正装、それは基本のバニースーツの上に燕尾服のジャケット部分を羽織る“燕尾バニー”と呼ばれる状態です!」
(燕尾バニー!?)
「みなさんの机の上にはその長袖の燕尾服のジャケット部分が残っています!それを羽織るだけで、式典用バニーガールになるのです!」
「なるほど!」
「その為だったんだ」
「ただ燕尾服のジャケット部分が長袖の場合は袖を通す前に腕のカフスは外してください!」
「ええ!?」
「さっき付けたばかりなのに?」
「これはカフス自体が大きすぎる為に袖の中を通れず、また袖の外に出しても不格好であるからです!」
(言われてみれば!カフスを外した方が見映えがいいってこと?)
「という訳で皆さん、始めにカフスとカフスボタンを外してください!外す順序はさっきと逆ですよ!」
「はーい」
牧は両腕に取り付けたカフスとカフスボタンを順序よく取り外していく。
「取り外したなら後は燕尾ジャケットを羽織れば完成ですが、羽織ったら後ろから尻尾が出ているか?ジャケットの襟が立っていないか、左右でズレていないか確認し、調整してください」
「わかりました!」
-バッ
牧は黒の燕尾ジャケットを広げ、カフスが無くなった袖に通し、首回りを合わせて襟とボタン部分、後ろの尻尾の部分も自分で調整した。
(こんな感じかな?)
「これで、バニーガールのフォーマル形態“燕尾バニー”の着付けが完成です!」
「……」
「すごい!ブレザーみたい!カッコいい!」
「執事っぽくもあるよ!」
「すごい…着ているとなんだか気持ちまで違う…身も心も、さっきまでの私じゃないみたい…!」
燕尾バニー姿となった自身の身体を見回す牧。
牧の夢は一つ叶えられたのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます