アイリスの変化
「アイリスっ! 」
何故だろう確かに似ているがどこか違う女性をアイリスと呼ばすにはいられなかった。彼女は微笑みを向けてくるが返事はない。
「ここは一体...」
研究室の一室だろうか目の前には試験管が並んでいる。前に立つアイリスに似ている女性に顔を向けると微笑みかえしてくるが、それ以上の反応はない。誰なのか見当がつかなないが、どこかであったような懐かしい感じがする。それはアイリスに似ていたからなのかもしかして何処かであったことがあるのか。彼女はなにかをバインダーに記録していっている。そもそも何故僕は白衣を着ているのだ。
「君は...」
*******
パチッパチぼやける視界にはいつものアイリスが焚き火をしていた。毛布をかけられているのをみると僕が風邪をひかないように温めてくれていたのだろう。どうやら僕は気絶していたようだ。そんなことを考え意識がはっきりすると
「アイリスっ! 」
「ひゃっ」
僕は焦って飛び起きた。何故かアイリスに似た彼女を見てからどこかアイリスに違和感を感じる。しかし、どこからどう見てもいつも通りのアイリスだ
「あれは誰だったんだ..そもそも僕が過去に会ったことがあるのか? 」
「何か悪夢でもみたの? 」
「いやそういうわけじゃ...」
ただアイリスに似てる女性が夢に出てきただけなのだが悪夢といえば悪夢だったのかもしれない僕は何か怖いもの見た後の感覚に陥っていた。
「どう修練の方は上手くいってる? 」
「...」
僕は俯いて首を振った
「珍しく落ち込んでるね!私が慰めてあげようか?」
何故だろういつも通り冗談を言うアイリスなのだがさっきからアイリスの声が遠く聞こえるまるでモニター越しに画面を見ているみたいだ
「アイリス...」
「どうしたの? そんな悲しそうな顔して...てか泣いてるじゃん」
ハンカチを取り出し涙を拭こうとしてくれる。アイリスのハンカチが頬に触れた瞬間思わず腕を掴んでしまった。
「きゃっ、一体さっきからどうしたのよ、頭でも打ったの? 」
「いや..その..あの...これは.....はっ....はっ」
心拍数が上がり過呼吸におちいる。息が上手くできない。一体どうしてしまったというのだろうかあの夢から目覚めてから自分の体が自分のものじゃないみたいだ。だめだ意識が遠のく視界には僕に必死に呼びかけるアイリスが見えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます