第130話目 クラウンAI
KENのブログを見つけて、KENのゲストのAIを知り、そこからNAOのブログも見つけ、その両方と交流しているAIの存在を
そして、ケンに関しては、そもそもKENがブログをやっているようだと教えてくれたルイの話で、ルイもしばらくKENのブログを訪問しているうちにAIというブロガーがいることを知り、ルイはボランティアでケンと会った時、直接それを聞いたそうだ。なら私に聞いてくれてもよさそうなものだが、そこまで深く考えずに話題の一つとして聞いたんだと話していた。つまりKENはブログのAIと私が別人だと知っているのだ。
ならばと、そんな話題をNAOにもしてみようかと、何度か思ったが言い出せない。NAOとの交流も、細心の注意をはらっているつもりだが、何か聞かれるたびに探りを入れられているように思えて、落ち着かない。NAOは知れば知るほど人柄の良さを感じ、拭えずにいる不信感の先には、ブログのAIへの嫉妬のようなものが自分の中に見え隠れし、もし、自分のことをブログのAIという人だと思い込んでいるならば、それを利用して自分へ気持ちを向けることができれば……そんなことも考えていた。
今夜は、グループ割りの発表があったことを受け、自分がいるグループのそのどの日にもNAOがいて、そこに何らかの意図を感じて嬉しく思ったのも確かだ。「NAOさんと一緒の日が1日でもあるといいな」と、増本の誕生祝いで会った日にしており、「自分が決められることばかりではないけれど、1日くらいは同じグループにできるように頑張ってみます」とNAOが言っていた。それが3日間一緒だとなると、私はNAOの気持ちを自分に向けられたと期待していいのだろうか。
今夜もラインをしながらブログのAIのゲストページをチェックしていたが、相変わらず表示されないままコメントの数が増えていた。NAOは私とラインをしたり電話で話しながらブログのAIとも交流していたのだろうか?それとも、ブログのAIはKENとの会話でコメントの数が増えているのだろうか?
ついあれこれ考えてしまう。見たら気になるのだからいちいちブログをチェックしなければいいのだが、気になってしまうのだから仕方がない。それでも、今夜はNAOと長い時間やり取りできたのだから、きっとこの増えているコメントはNAOではない。竹花愛子はそう信じこもうとしていた。
こんなことで思い悩んでいるのも精神的に疲弊を感じるのだから、やはりいっそKENのブログの話題から自分と同じハンドルネームのAIというブロガーの話を振ってみようか……でも、と、堂々巡りだ。そして、もし聞いてみるとしても、それはクラウンフェスタが終わってからにしよう。それまでは今の関係性を崩したくはない。
愛子は、NAOとのやり取りのあと、そんなふうにして自分がブログチェックを終えたあとも、ブログのAIのゲストページやコメントの数が増えるところまでは目にしないまま眠りに入った。
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