第37話目 交流19
MASATOからの書き込みがなくなって、不安な気持ちを抱えたまま自分のゲストのブログを回り、朝に下書きしておいたコメントを入れて回った。
そうして40分ほど経っただろうか。MASATO以外からも自分の記事への新しい書き込みがあるかどうか、自分のホームを開いてF5で更新していると、直前に見ていた画面からポッと違うマークがついたことに気付いた。MASATOの新しい記事の更新があったのだ。
存在バトン
ニコさんから存在バトンが来ていたんでした。
しばらく放置していましたが、やってみます。
・お名前は?→ここでは、MASATO(笑)
・お住まいは?→東海地方のどこか(笑)
・お仕事は?→未来の社会創りのお手伝い(笑)
・年齢は?→20代……かもしれない(笑)
・趣味は?→サッカー、サーフィン、スノボー、メイク、時々読書(笑)
・好きな食べ物は?→チーズとチーズ系スイーツ(笑)肉類は鉄板(笑)
・嫌いな食べ物は?→納豆……これは無理(笑)
・彼女or彼氏いる?→いません(笑)
・好きな人のタイプは?→自分と同じ感覚で話ができる人。信頼のできる人。
・子供の頃の夢は?→父と同じ仕事に就くこと……かな。
・その夢、叶った?→いえ、方向転換しました(笑)
・悩み事は?→う~ん、サッカーが上手にならない(笑)
・その解決策は?→練習あるのみ!(笑)
・欲しいもの、ある?→ある!今、無性にチーズ系ケーキが食べたい!(笑)
・いらないものは?→……最近、腰回りに肉がついたような(笑)それかな。
・バトン回してくれた人の印象は?→サバサバした感じ?(笑)
・バトン、誰に回す?→う~んと、AIさん。…気が向いたらでいいですよ。
・その人の印象は?→誠実さを感じます。あと、不思議と感じる安心感。
そんなわけで、『存在バトン』でした。
名前出しちゃってごめんなさい。AIさん、よかったらもらってください。
自分も長いこと放置してたんで、放置でも大丈夫ですよ(笑)
「えっ、私?……っていうか、バトン?」
それを目にしたのは初めてだった。バトンというからには、誰かに繋げないといけないものなんだろう。MASATOも、ニコさんからと書いてあり、記事の一番下にニコさん→と、リンク先が貼られており、そのリンク先へと飛んでみた。
ニコさんの『存在バトン』が現れ、同じ質問に答えていた。そしてその日付を見ると、もうひと月以上も前の記事で、MASATOの記事にあるように、長いこと放置していたことがわかった。
これって……もしかしたら私にやってもらいたいから記事にしたってことかな?
愛美はMASATOが話題を振ってくれたのかと思ったが、それよりも自分のことを知りたいという気持ちからではないかと思い、素直に嬉しいと思った。が、すぐにその気持ちは不安へと向かった。
これ、全てに本当のことを書くわけにはいかない。MASATOだって、住んでるところは東海4県と、ざっくりではないか。なら、そこは同じようにすればいい。問題は仕事と年齢だ。年齢はMASATOのように誤魔化せばいい。では仕事は……これも、誤魔化すしかない。まさか高校生と書くわけにはいかない。全ての項目に目を通し、なんとか誤魔化しながら書けそうだと、うんうんと頷いていたが、最後の項目に目が留まった。
誠実さを感じる。不思議と感じる安心感。
嬉しかった。本当に嬉しいと感じた。が、このバトンに書く自分の言葉に、『誠実』はあるのだろうか?誤魔化さなければいけない部分の多さに、誠実さなど自分では全く感じないその不誠実さを抱きながら、心の中ではやはりなんとしてでもMASATOに気付かれるわけにはいかないのだと、誤魔化す自分を肯定する気持ちに変えた。
『MASATOさん、ご指名ありがとうございます。誠実さとか、安心感とか、嬉しい言葉が並んでいて感激しています。ありがとうございます。では、バトンやってみますね。ところでMASATOさん、納豆がお嫌いなんですね(笑)私は納豆好きです。それと、チーズケーキがよほどお好きとお見受けしました(笑)スイーツ好きの男子って、いいです。カフェでデートもできそうですもんね(笑)』
愛美はMASATOの記事へコメントを投稿して、すぐにバトンにとりかかった。
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