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――一か月ほど前のこと。



誰にも気づかれることのなかった洞窟への小さな裂け目を発見し、張り切って降りたケイビング愛好家たちが、ここに暮らす獣たちに襲われた。



週末に軽く探検していったん帰宅するはずだったが、月曜になってもなんの音さたもなく、心配した家族が捜索を依頼したのだった。



レンジャー数人が入口から中を覗いたところ、食いちぎられた衣服が散乱していることに気づいて警察に報告。



警察から特殊部隊、しまいには軍までやってきて、未知の生物捕獲作戦が決行されたが、組織だって反撃してくる獰猛な生物の捕獲は非常に難しい。生け捕りしようにも麻酔銃でさえ死亡してしまうため、結局は掃討作戦になってしまったという結末だった。



研究用に遺体を何体か確保しようとしたものの、日の光に当たってしばらくすると水膨れを起こし、しまいには破裂。アルコールにつけると皮膚が溶ける。腐敗のスピードも高かったため、研究所に送ることのできる比較的状態の良いものは氷入りの小さな保冷バックに入れることのできた、ほんの三体のみだった。



それ以外の遺体は、映像や写真に残したあと、すべて焼却処分された。



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