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「こいつで最後か?」
「たぶん。赤外線映像にももう映ってないな」
「臭いな、これ。今までの中で一番臭い」
「どうする? 氷漬けにして研究所に持っていくか?」
「いや。むかついてつい顔を撃っちまったから、サンプルにはならんだろ。俺のサングラスを取りやがって……」
「それにしても、これは猿なのか、コウモリなのか」
「顔はコウモリ、身体は毛のない猿って感じだな。……醜すぎて、ペットにはできそうもない」
二人のレンジャーが、吸っていた煙草の吸殻を未知の生物の傍らに投げ捨てた。
くすぶる煙が、つぶれて血にまみれた顔の上にたゆたう。
「まったく。クライアントが洞窟はこれ以上破壊するななんていうから、思いがけず時間がかかっちまったな。さ、早く報告して日が昇ったらすぐ帰るとしよう。
とりあえず、ハンバーガーが食いたいな」
そう言って、レンジャーはもうひと眠りするためにそれぞれのテントに戻っていった。
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