第10話 信用

 そして次の日……は、街に来たばかりと言うツクモの要望で宿でナナと遊びながら怠惰に過ごし、ツクモの調子もある程度整ったその次の日は……ナナに遊ぼうとせがまれて結局遊んで過ごしてしまった。


 そしてやってきた三日目、ナナに先に、今日は出かけると宣言してから二刻ほど遊び、ナナが満足したところで街へ出かけることにした。


 金に余裕ができたとはいえ、そろそろ冒険者活動をしなければまずい。

 しかしツクモはその為の武器が無いことに気がついてしまった。


「では、金貨5枚分のお金を渡しますけど、くれぐれも、くれぐれも無駄使いしないでくださいね!? いいですか? 私は情報を集めながら食料などを買います。ツクモ様は武器と、防具……はいらないでしょうからちゃんとした武器を買ってくださいね?」


「大丈夫だって! 無駄使いはしないからさ! 少しは俺のことを信用してくれないかな!?」


「……案内料」


「うっ……」


「……ラスク」


「うぐっ……」


 ツクモには何一つ反論できる要素がなかった。約束をした直後に散財したようなやつを信用できるはずがなかった。


「とにかく本当に慎重になってくださいね!?」


「もちろん! ……ちなみに、余ったお金はどうすれば……?」


「……はぁ……。使っていいです。……ただし! 買ったものの質をわざと落としたら許しませんからね!」


「そ、そんなこと考えてなかったし?」


「はぁ……。……信じますからね?」


 シキはツクモと分かれて買い物に向かった。


「そこまで言われたら破るわけにはいかないよな……」

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