第3話
敵わないのは kwkm
『っ、拓朗、、?』
「…行く時俺の香水付けとったよな?」
『うん、そうだけど』
「違う男の匂いがする、」
『えっ』
「そんな近くにいたん?それともやっぱりなんかされたん?」
まるで犬のように彼女の至る所を嗅ぎ回る。
紅い印もつけて、俺のあげた香水まで付けて。
なのに変な奴に絡まれたというのか。
『なんもされてないってば…』
「他の奴の匂いがするのはいただけへんなぁ」
『……お風呂入って消してくる、』
そう言ってリビングにまた1人にされる。
ふと、彼女のスマホが目に留まった。
LINEの新着メッセージが数件。
"今日はお疲れ様!"
"〇〇に久しぶりに会えて嬉しかったよ"
"彼氏さんの自慢話は程々にしてね(笑) "
送ってきた相手は彼女の女友達のようで。
自慢話って……よほど俺のこと話してたんかな、
なんて考えてしまう。
でも彼女から別の人間の匂いがしたのは確か。
嗚呼、やっぱり腹立つ。
あー気持ちよかった、なんて呑気なこと言いながらお風呂から上がった彼女。
色気あんな…、いやそうじゃなくて。
自分色に染めなければ気が済まない。
彼女を後ろから抱き締め、耳元で囁く。
「ねえ」
『っ、何?』
「寝室、行こ?」
『…匂いは消えたでしょ、?』
「匂い消すだけじゃ意味無いで」
『!!!』
そう言って今にも折れそうな細くて白い彼女の腕をとり、寝室へ向かう。
『まって、たくろ、』
「なぁに」
ひょい、と肩を押せばベッドが軋む音が響く。
『今日…、あれなの、』
「…じゃあ」
まさか今日だったとは。とりあえず即座に彼女の言いたいこと理解出来たので予定変更。
自分はベッドに腰掛け、彼女を地べたに座らせる。
彼女も状況を理解したようだ。ニコニコしながらこちらを見ている。
「床冷たいけど我慢して」
『…ふふ、寂しかった分溶かしてあげる』
「めっちゃ寂しかったんやぞ」
『まあ、それ狙ったんだけどね』
「っえ?」
すると彼女は耳元で囁いた。
" 可愛い拓朗の鳴き声が聴きたくて "
______嗚呼、彼女には敵わないや。
敵わない n. @black__sweet__
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