第3話 母艦と初めての専用機 その一

「この艦はね、潜水、宇宙航空ができ大気圏の単独突入や制限はあるけど単独で大気圏脱出も出来る万能母艦[ヘラ]だよ。[ヘラ]は迎撃用のフレアやミサイル以外には兵装は無いが代わりにステルス機能と全ての場所に対応出来る艦で運用の観点からあまり大きくならないように設計されているんだ」


ステルス機のF-117が大きく縦長になったような外観で、サイドにロケットエンジンが着いていた。


社長は俺達が向くと手を広げて笑っていた。


「これに驚いてもらった所で次に君達の機体を見に行こうか」


俺は四人が歩いているのに気がついて少し遅れて着いていった。


「先ずは、小野優君、君の機体です。五機全ての元になり最初に作られた第三世代機体であるマキナ・001[アルス]この機体は接近戦用に作られていて左腰に実体剣[ムラマサ]と右腰に実体剣[マサムネ]後ろ腰にビームソードを二本、肩に大型ビームソード[バスターソード]、右腕に小型ビームライフルが内臓され左腕にシールド、左手に溶接マニュピレーター[マグナ]が内臓された近接戦闘に特化された機体だ」


自分の機体と聞かされ機体を見ると全体的にスリムなフォルムだが関節部は装甲に覆われて格闘戦闘をしても大丈夫なように作られているようだった。驚くと同時にこれに乗って戦うと思うと俺は恐怖か高揚からなのかどちらか分からない感情で身体が震えた。


社長が歩き次の機体が見えた。


「次はファン・リン君、あなたの機体です。マキナ・002[アルテミス]、この機体は遠距離射撃型でスナイパーライフル[アーチャーライフル]は実弾とビーム切り替える事が出来る、その他に肩と脚の側面に小型ミサイルポッド、腰に実弾用ピストル、太腿の収納部にビームピストルと後ろの腰にビームソードが着いている。どうかな?」


次の機体は先ほどの機体にフォルムは似ているが足がミサイルを着けている分太く、肩関節の装甲が厚い作りになっており頭部にはアンテナ付のゴーグルのようなバイザーが着いている。


「フム、なかなかのものですね。わが社がこのようなものを所有しているとは知りませんでした」


一番歳が高そうな男性が社長に言葉を返したのでファンさんが誰か分かり、その人を視ていたら社長がまた歩き出したので着いて行った。


「次はソニア・ラヴェルさん、あなたの機体です。マキナ・003[アポロン]、この機体は重砲撃型でビームバズーカ[プロミネンス]と背中にビームランチャー[アグニ]を搭載し、両肩にビームキャノンが着いている他にビームソードが内臓されている」


3機目の機体は他のマキナよりも全体的にずんぐりしているように感じるがそこまで太く他の機体よりも防御力がありそうに見えた。


「私がこのような機体に乗って良いのでしょうか?私よりももっといい人がいると思うのですが、社長が決めたのですよね…」


「そうだよ。君が良いと私が決めたのだが不服かね?」


「いえ、社長に指名して頂けるのなら頑張ります」


ソニアと呼ばれた女性は金髪にスレンダーな体型でモデルのような美人な人で淡々と社長に返事をしていた。俺の視線に気付いたのか軽くお辞儀されたのでこちらも頭を下げたが、すぐに社長の後を着いていった。


「次はギルバート・ギール君の君の機体です。マキナ・004[ウラノス]この機体は五機の中で唯一[MA]に可変できる高機動可変型で高機動時に使える唾さからビームを出して切り裂くビームクロー[ファランクス]とビームマシンガン、背中にミサイルポッド、火力を補う為にチャージ可能な折り畳み式ビームライフルを一丁後ろの腰に着けて、腰のサイドにビームソードを一つずつ内臓されている」


最初の機体のバックパックが飛行のような翼になっており、前から見た感じは柔軟性が高そうな関節以外他は最初の機体と同じに見えた


「すげー、さすがはサンシャイン社、まさか可変型の機体まであるとは驚きだぜ」


元気に騒いでいる金髪に長髪を後ろにまとめている人がギルバートと思われるがはしゃぎ過ぎてうるさいのか社長が苦笑いしながら嬉しいよと答えて次に向かった。


「次に薫、これが君の機体だよ。マキナ005[アテナ]この機体は他の機体と違うコンセプトで作られ、一機で様々な状況に対応出来るように装備換装機能スタイルチェンジシステム通称[SCS]が搭載され、近接用アーマー[シュナイダー]、高機動用アーマー[イエーガー]、砲撃用アーマー[パンツァー]を四肢と背中にある接続ポイントに換装装備を着ける事によって機体の特色を変える事が出来る。近接用には実剣とビームソードが一つになったガイアソードと腕に取り付ける事の出来る突き刺す事が可能な小型シールド、高機動用には大型バックパックスラスター[ウイングブースター]とビームマシンガンとビームライフルを一丁ずつ、砲撃用はバックパックにマウントされている二門のビームランチャーと腕に二丁のビームライフルを着ける[ケルベロス]と脚にミサイルポッドが装備されている」


最初の機体の武装だけ外した素体というような機体で説明の通りに接続ポイントが何ヵ所か見え、それ以外に特徴が見られない機体だが隣のハンガーに[SCS]用の武装が並んでいた


「ありがとうお父様、これで私も戦えます」


その発言に社長と薫と言われた女性の二人を俺とギルバートさんは同じタイミングで大きな声で驚きの声を出し、ソニアさんとリンさんは静かにそれぞれなるほどという感じで何度か頷いていた。

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