情報通

ひっ捕らえて、お金をむしり取ればいいのか?と困惑している。

リュカと、どうしようか、と目で会話していると、抱きついてきた。


「ねえねえ!鬼ごっこしようよ!私暇なんだぁ」

「え、ちょっと」

「ねえこのドラゴンちゃんなあに?とってもかわいい!ぬいぐるみにしていい?名前は何ていうの?」

「ちょっと」

「おねえさんたちあったかい!私体温低いから、夏でも寒いんだよね!」


ひっきりなしにしゃべる、しゃべる。ただ、最後の言葉は気になった。たしかに、抱きついてきたとき、体は冷たかったし、この気候の中、厚手ではないが、長袖を着ている。それに、白い髪と、青い眼が、余計に寒さを与えているのではないか、と。


「……ねーえ!キミ名前はー!?」

「私?私ザカリーっていうの!ドラゴンちゃんはー?」

「アタシね、アタシ、ユカっていうの!ユーリカって言うんだけど、略してユカだよ!」

「そうなんだ~!うふふ!かわいい~!」

「えへへ~!ありがと~!」


この2人、テンションが似ている。そのテンションが暑苦しい。


そっか、ユカって、ユーリカだったな。ハーフっていうのは、小さい頃に聞いた。ただ、そのハーフの意味は私にはわからなかった。そのことでいじめられてるユカを、よく守ったっけ。


「なあ、ザカリーちゃん。俺たち、ちょっと困ってるんだけど、遊んだら、いろいろ聞いてもいいかな」

「遊んでくれるの!?いいよ!なんでも聞いて!私、こうみえてジョウホウツー、だから!」

「ちょっと、リュカさん」


そんな勝手に遊ぶ約束とりつけちゃって…、ロリコンってこういうところから派生するんだぞ…。


「この年で、盗人まがいのことを1人でしてるんだ。それなりにこの街に詳しくないとできない。だろ?」

「なるほど…」


ザカリーはユカを抱えながら、かがむリュカの手を引っ張って広場に向かっていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る