追いかけよう

確かに使い物にはならないかも、とちょっと思う。が、なにもわからないよりはマシ。

と伝えて3人で情報収集をすることにして、また市場へ繰り出した。


「とりあえず安心なのは普通にお金に困らないことですよ」

「そうだな、これで武器も壊れたら買えるし…」

「いっぱいご飯もたべられるー!」


バカは放っておこう。いや、まあ正論か。


「それにしても人が多いな…」

「そんな鎧着てるからだし、……ていうかこっちが迷惑だから脱いでくれません!?」


さっきから周りの人も迷惑してるし、結構日差しが強いなか、その鉄製はつらい、熱い、暑い。

路地裏にまた入って、とりあえず脱いでもらった。収納の魔法を本で見つけ出して、かばんにしまっておいた。おっ、便利便利。


「情報収集するって言ってもな…」

「ねえねえ、アタシ魔物討伐したーい!」

「おまえ、今、そんなこと…あ、いや、そうか。ギルドに向かえば魔法使いが結構いる。なにかわかるかもしれない」


そうか、とリュカが閃いた。バカがたまたま役に立った。


「ギルドって」

「冒険者の集る場所で、魔物を討伐してくれ、とか、色々と依頼がもらえるんだ。それをこなせば報酬がもらえる。俺も最初はゲーヤ街のギルドで仲間集めをしたんだ」


そこに向かいつつ、話を聞いた。


「カリンと、あと2人…仲間がいた。1人は魔王を倒してから、また修行しに旅をしに行き、もう1人は……、なぜか消えたんだ」

「消えた?…それは、」

「魔王を倒した瞬間に。死体は見つかっていない。だから、消えた。死んではいないと思う…、それに…―」


彼の言葉は途切れて、


「あ!さっきのお兄さんたち」


フードは脱いでいたが、同じ服。先程の女の子が、りんごを食べて、こちらを見て楽しそうに近づいてきた。

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