子供の遊び

広場に噴水はつきもの。…でもない、それはただの偏見かもしれない。ただ、ザカリーについてきた結果、ここには噴水があったというわけで。


「それじゃあ、今からここを凍らせて、スケート場にする!だから、一緒に遊ぼう!」

「スケート場…って、今は暑いし、ここはただの広場だしたくさん人がいるしまってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」


大勢の人がうわあああ!!と、声を出して逃げていく。婦人はスカートを掴み、男たちは我先にと。

建物ギリギリには、屋台がある。その目の前まで、伸ばしたのだ。


「どう?私、これが得意なの!」


ザカリーは笑って、噴水の土手に座っている。その手は水に触れ、その水が地面を這っていって、屋台のところまで届いたのだ。そして間もなくして、その操られた水はきれいに凍ってしまった。なめらかな氷、水の波紋もなく。


「またあの子か…!」

「黒い魔女の子だ」

「おそろしい…」

「見てはだめ…!」


そんな声が聞こえてくる。笑顔の彼女にも聞こえてるはずなのに。


「ユカ、遊ぼう!」

「うん!!」


逃げ遅れた人の足は、とても器用に、避けられていた。その足の部分は、凍っていない。だから、みんな、どこかへ行ってしまった。広場に残ったのは、4人だけ。


「だからあの子、いつも1人なのか」


リュカが悲しそうに、2人をみつめていた。

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