森は危険なので…

翌日、おばさんはパンが入ったランチボックスを持たせてくれた。それをもう食べたユカ。絶対あとでお腹すいたとか騒ぎ出すんだろうな。


見送られて村を出て、少し平野を歩いていくと森が見えてきた。


「この森を抜ければ街だ。ゲーヤ街。けっこう大きな街で、この国2番目に大きい。だから仕事も早々に見つかるだろ」

「はあ…」


リュカは昨日の重装備だ。それほど森は危険なのだろうか。

と、いうか。今更だがこんな異世界に来て仕事ってなにすればいいんだ?どうしよう、ただのJKに大したスキルなんてない。食事処の住み込みバイトなどがあればいいけど。


「あたし仕事したくないよ!?」

「もうあんたは私が養うから黙ってて。ところでどんな仕事がありますかね、このあたりって。」

「ああ、えっと…そうだな…、まあついたら相談所みたいなところ紹介してやるよ」


言ってる間に森の入口あたりにつく。けっこう昼だというのに、中は薄暗い。


「この森は結構危険なんだ。そして街までは1日かかる…。ということで今日はこの森の中間地点でキャンプだな」

「えっ!?キャンプ!?」


驚いてしまった。虫とか…嫌じゃん…。


「仕方ないだろ…」

「あいや……別に…いいんですけど…。」

「あれ?なんか変な模様があるーー!!」


入り口の手前で、ユカが声をあげた。そこを見てみると。足元になにか模様がかかれており、その線から光が出ている。


「おい、ちょっと待て」

「え?」


静止の声、遅し。躊躇なく足を踏み入れていたユカ。


「あ”ーーーッ!!!!!!!!」

「あ”ーーーーーー!?!?!?!?」

「あ”あ”あ”あ”!!!!!!!!!!!」


ユカが引き込まれた瞬間腕を掴まれて引きずり込まれる。死なばもろとも、リュカの腕をつかんで沈んでいった。見事な吸引力…。あれ…どっかで経験したような。

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