邪魔者

ユカ。何を考えているかわからない。


「うさぎ!」

「丸焼きにして食べるの?」

「酷いなリサ!」


だって両手足を鷲掴みにしてるのに?

昨日、目が覚めて、服を貸してもらった。おばさんの若い時のものらしいが、ぴったり。この世界のことがわからない、なんて言うと怪しまれるし、記憶をなくしたということで話を通し、おばさんのすすめで、今日まで体を休ませることにした。それでもやることがないから、庭の草むしりをと申し出た。


「ちょっと、ユカ。あんたも手伝うって言ったならちゃんと…」


腰をあげて、ユカを見る。こいつは脳天気でいい。昔からそうだった。悩んでる私に、いつも無茶苦茶なことをして笑わせてくる。


「何、それは」

「まるまる焼き焼きセット」


はいはい火炎放射器ね。構えて嬉しそう。


「それを置きなさい」

「なんで?」

「ウサギの方に向けないで置きなさい」

「着火!」


庭は燃えた。


ユカ、何を考えてるかわからない。

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