2 理由は、性格の不一致です。
出ました、離婚理由の第一位。
男性でも女性でも、離婚理由の一番出てくるものです。
私達の離婚理由もこれ。
でも、この理由が一番の理由になるのは、一番この言葉が使いやすいからかもしれません。
だって、理由の説明が難しい場合でも、この言葉を使えば、みんな何となく理由を察してくれますからね、ニュアンスで。
「性格の不一致」と言っても、そこは夫婦ごとに理由はあると思います。
うちの場合は、旦那が余りにも結婚に夢を見過ぎて、私が現実的過ぎた、それが原因かなーと思っています。
基本的に。
結婚はゴールではなく、スタートだと、巷では良く言います。
これは、婚活中にもよく相談員の人達に言われていましたし、人生の先輩方も言ってらっしゃいました。
つまり。結婚とは、パートナーと共に生活を築き上げて行くもの。
「女性にしちゃ、珍しい考え方よ」
とは、結婚相談所の方々にも言われましたが、人生の先輩方がわんさかいる状況で、しかも四十代。
そりゃーまあ、それなりの「知恵」は付き、現実は直視しますよ。
でも、旦那はそうではなかったようです。
婚活中でもいた、「嫁が来れば、何とかなる」という思考の持ち主たったんですよね、旦那は。
旦那と離婚すると決めた時、よく言われました。
「どうして結婚前にわからなかったの?」って。
正直、私も結婚するまでらそう思っていました。
でもこれ、離婚した人にしかわからない感覚かもしれませんが、だって、「こんな人だとは思わなかった!」んです。
あ、もう離婚したんで本当は「元旦那」なんですが、面倒くさいので、旦那で続けます。
旦那との出会いは、見合いでした。
初対面に思ったのは、「ヒョロかなー」でした。
まず、身長が低い。私より低かったです。
そして、痩せている。
さらに、大人しそうな外見。
しかも、6つも年下。
断った方が正解かな、と正直思いました。
私は九州生まれで、気も強い。
母も祖母も気が強かった。
ちょっと、相手に気の毒だよなぁと私はこの時考えたのです。
その考えは、今なら正解だとわかるのですが、いざ話してみると、話しが合う。
一時間があっという間に過ぎました。
悪くないな、と正直思いました。
何せ「婚活していますが、何か?」を読んだ方ならわかると思いますが、婚活に参加している男子は、「真っ当」って方が本当にいらっしゃらない。
結婚相談所の方は、「男はキットよ!」と言われますが、それでもその男の方を「異性」として好きになることが条件なんで、やっぱそれなりに「好意」を持てる相手が良いんですよ。
そうすると、旦那は「人の話を聞いてくれる」「話が合う」ということで、印象は悪くあませんでした。今まで会った婚活相手の中では、一番「真っ当」だったわけです。
「『話が合う』と言うのは貴重よ!」
この言葉も納得でした。
やっぱり、「話しが合う」は重要。
と言うか、神社のことを話した人は「神社
にはそれぞれ特徴があります。わかりませんか?」と言い放ち、スキあらばテーマパークに話題を持って行こうとする人もいて、まあ……「話しが合う」以前の問題が多数。
話した内容にレスポンスがあって、会話が続いて行くのは、実は滅多にないことなんです。そう……「当たり前」と思うことが、存在しないのが「婚活」
もちろん、そんな方々ばかりではないのですが、四十代になると、やはりそんな方々も出てくるわけです。
そんな中、旦那とはまともなコミュニケーションが取れて、しかも「話が合う」
とてもとても貴重だと思いました。
ですが、「まあ……女性と付き合ったことないんだろうな」とは、感じていました。
何と言うか、ぎこちなかったんですよね。常に「緊張」している様子で。
まあ、でも。
話は合うし、お出かけ先も合うし、一生懸命接してくれるし、好感はありました。「好意」とも言いますね。
この人となら、お互い助け合って生活していけるかもしれない。……そう思ったんですよ。一生懸命に私に付き合っている姿を見て、
「おうおう、初々しいのお」と感じていにましたからねー。
でも。
今から思えば、この頃から「あれ?」と思う兆候はあったんですよね。
確かに結婚相談所に所属している間は、あっちの関係はナシ‼が前提です。これは、トラブルを避けるためのものなので、わかります。
しかーし。お互いに結婚の意志を確かめ、結婚相談所を退所した後も、手出ししてこなーい。その段取りもしてこなーい。
うーむ?と思いました。
これに対しては、私も対処の仕様を考えました。さすがに。
「私から誘うか?」
とも友人に相談もしたのですが、「まあ、男にはプライドってもんがあると思うよ」と言われ、この辺はやっぱり微妙かもねーと考え、「結婚式の後に考えよう!」と結論を出しました。まあ、徐々に慣れて行けば良いかなーと思ったんです。
後から思い返せば、これが間違いだったんですけどね。
また、どうも「型」に拘る傾向はあったんです。一応事前にお互いの結婚相談所を通して、「プロポーズをしますが、オッケーですか」という打診はあります。
当然、私としては「この人とは、やっていける」と思ったので、オッケーを出しました。
で、その前に会った時に、約束をしていたんですよね。
ドライブに行くことになっていました。
ドライブの車の中でプロポーズもええなあと私は思っていたのですが、旦那からは予定を変更して欲しい、と申し出があったのです。
え、なんで?と思いました。
私としては、ドライブに行くことを楽しみにしていました。
プロポーズをそこでするのは、全然問題ないはずです。
ですが、旦那は「申し訳ないけど、変更させて欲しい」の一点張り。
そのあまりの申し出の強さに「そこまで言うんなら……」と、私も了承したのですが。
「きちんとした格好で来て欲しい」と言われ、まあ……何と言うか、「はい?」となったわけです。
別に、プロポーズはどこででも良いとは思いませんが、気持ちが大切てす。
シチェーションはあまりこだわらず、自然体でええんじゃないかい? 嫌、何故『ホテルのレストランで食事して→プロポーズ』ってシチェーションに拘る⁉」とした、もやもや感が広がりました。
「まあ、いいんじゃないのかな」
けれど。
結婚相談所の人は、相談した私に、そう言いました。
「型……と言うか、シチェーションを作り出してから、自分を盛り上げて行く人もいるからね。そういうのには、付き合ってあげても良いと思うよ。後々にも、そのことが役立つことがあるから」
プロの方の言うことですから、それはそれで理に適っています。
なるほど、とこの時は納得しました。
まあ、「自然体のプロポーズ」も私の拘りとも言えるわけです。
「結婚」とは、相手あってのこと。
お互いが妥協して、譲り合って、築いていくのが結婚であるならば、今回は私も譲るべきなんだろうな、と思いました。
そして、当日。
旦那は背広を着て、私をホテルのレストランに案内し、花束を差し出し、夕焼けが見える屋上でプロポーズされました。
旦那は全てのことができて満足そうでしたが、私にはそれらがどうしても「茶番」に思えてしかたがありまんでした。
何と言うのか……旦那が満足したくてやったこのプロポーズは、プロポ―ズをする相手である私も、この「満足」を満たす要素の一つでしかないんだろうな、と。
冷めてるな、と思われます?
自分を好きになってくれた男性が、自分のために一生懸命用意してくれたシチェーションを、すごく冷めた目で見ているように思われるかもしれません。
でもですね。
そこに、私の「意見」はないんですよね。
私の望みではなくて、「旦那」がやりたいことをやって、私はそこに「義務」で付き合っていたわけです。
考えてみれば、この頃から旦那の「夢」は始まっていたのかもしれません。
プロポーズはシチェーションとお金を用意すれば、プロの人が後はやってくれます。
私も、せっかくご縁のあった人ですから、気を損ねないように「義務」で付き合いました。
けれど、結婚生活はそうは問屋が卸さないわけです。
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