ライクオアラブ

第1話 始まり

　高校入学初日。真新しい制服身を包んだ学生が不安と期待で胸を膨らます、そんな一生に一度の特別な日

「はぁ..怖い。不良みたいなやつとはいっしょになりたくないな。こういう時も俺の運くそ雑魚だからな...」

海都の心は学校に近づくにつれてどんどんブルーになっていく。友達が数える程しかできたことのない福嶋海都には、新しい環境は地獄でしかなかった。

「ひっそり生きよう。カエルくらいひっそり生きよう..」

そう心に決めて、下がっていた視線を上にあげた海都はやけに周りが騒がしいことに今更ながら気づいた。周りを見ると、1人の女子学生に視線が集まっていた。

ハーフだろうか、髪色が黄金のようなブロンドでサラサラと靡く髪は絹のようにしなやかだ。髪だけではない。美しいまで整った顔立ち、見ただけで伝わってくるもちもちの肌、何よりモデル顔負けのスタイル。男なら惚れざるを得ないほど整った人間がそこにいた。

誰もが振り向いて、彼女を眺めている。いつのまにか海都もその1人になっていた。

　目が離せないとはこういうものものなのかと初めての感覚にどこか違和感を感じながらも、彼女の姿が見えなくなるまで、その場から動くことなく見入ってた。そんなこんなで海都の学園生活は始まりを告げた。