第5話 やっと女の子だ…(なおコミュ障)

クルトと人が来るまで雑談をして、たまに神の突っ込みがあり

話に集中できないケントのもとに、一人の女の子が近づいている。

その女の子はケントの姿を見つけるとその場をウロチョロし始めた。

それはどうみても挙動不審で、周りの彼女を見る目は冷ややかなものへと

変わっていった。

「む、貴女は?」

「ひゃいっ!」

その女の子はクルトに声をかけられると、情けない悲鳴をあげ、

へたり込んでしまった。

『えっ』

「なんだなんだ?お前何したんだ」

「いいいいいいやわわわ我は何も…」

ケントがよく見るとその子はアメジスト色の美しい髪をロングにしたかわいい子

だと気づいた。

もっとも、涙目でへたり込んでいる姿からはどこか残念さを帯びているのだが。

「あの」

少女がビクッと震える。

「もしかして、うちのパーティに入りたくて?」

「は、はい」

その少女は近くの椅子に掛けて、

「わ、私はサラといいます」

「うん」

「私はこれまで剣術を磨いてきて、あれはそう、5年ま「わかった」

『自分の得意分野になると早口になる系ねわかります』

サラは一瞬悲しそうな顔を見せたが、すぐに

「魔法も少々嗜んでおります…」

といった。

「まぁいいんじゃない?」

「うむ、これで愚かなる者どもの意識を一点に集める者前衛が我らの仲間に入ったな」

「あーこいつの戯言は無視していいから」

急にわけのわからない言葉を早口で喋ったクルトに混乱したサラにケントが助け舟を出す。

「俺はケント。この阿保がこの阿保がクルト。よろしくな」

「よ、よろしくお願いいたします…」

『ぶっちゃけこの子コミュ障じゃね?』

き、きっと思い過ごしだろ…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る