第38話 『バカな、どうしてこうなった?カップルだと?』つまり略して『バカップル』

前回のあらすじ

千堂さんがカップル用のパフェを頼んだよ!





「十宮くん、私とカップルのふりをしてください」


千堂さんがまっすぐ僕の目を見つめながらそう言った。


「いや、だからさっきカップルじゃなくても大丈夫だって……」


慌しすぎて聞き逃してたのかなぁ。


「いや、だ⁉︎……そ、そうですよね、やっぱり、十宮くん、嫌でしたよね、迷惑でしたよね……」


ちょっと、何の話⁉︎


「やはりこれを狙っていたか、だがそうはさせないよ」


「っ、那月先輩⁉︎」


なんだぁこりゃ。


「ち、違います!私も最初は普通のジャンボパフェだと思ってたんです!」


「とぼけたって無駄だよ。現に君はカップルのふりをお願いしているじゃないか」


「く、くぅ……」


何かの劇ですか?

2人だけ台本貰ってたんですか?……僕、ショックです。

勉強会が罪とでもユートピア?


※※※


それから少し経って。


「お待たせしました。抹茶アイスと杏仁豆腐です」


「あ、はい」


店長らしき人が直々に持ってきた。

まだ千堂さんと神谷先輩のやりとりは続いている。


「パフェの方はもう少々お待ち下さい」


「わかりました」


僕に言われてもどうしようもないけど、とりあえず答えておいた。

さて、と。


「神谷先輩、もう杏仁豆腐来てるよ」


「じゃあそういう……あ、ほんとだね」


「パフェは⁉︎」


「もう少しかかるみたい」


「そうですか……」


う〜ん、しょんぼりしてる千堂さんには悪いけど先に食べようかな。

……あ、抹茶アイス美味しい。

しかし、抹茶〇〇っていうのはつい頼んじゃうんだよなぁ。

抹茶アイスに抹茶ドーナツに抹茶ハンバーグ。

抹茶ハンバーグってなんぞや。

とにかく甘い物を食べてまた勉強頑張るぞー!

……と、やる気満々だぜー!になっていると、なにやら大きなガラスの器を乗せたトレー持ってこちらに来る店長らしき人。

ま、まさかあれが……


「メロンです」


ガラスの器の影に隠れていたメロンをテーブルにおく店長らしき人。

なぜにメロン⁉︎


「頼んでないですよ?」


「こちら、サービスとなっております」


すごいサービス。カットされてないよ?丸々一個だよ?


「請求書です」


伝票も渡された。本当にメロン代が含まれていないだと……?


「こちら、ジャンボパフェです」


そして出ましたジャンボパフェ。

やっぱり、これはかなり多いんじゃないかな。千堂さん大丈夫?


「千堂さん、パフェ来……」


「「私達がカップルだ(です)!」」


どうしてこうなった。

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