第22話 (LIMEのトーク画面)すかすか

土曜日。

今日は学校休み。

朝8時に起床。

あぁ、今週は色々あったなぁ。

もしかして全部夢だったのではないかと思い、LIMEを開く。

そこにある2人の名前を見て一安心。

思わず顔がにやける。

これを繰り返す事12回。

なお、やはり誰からのメッセージもない。


朝9時

朝ごはんはしっかり食べる。

食べ終わったら部屋でダラダラする。

宿題?なにそれ美味しいの?

ちゃんと日曜に消化します。

テスト勉強?

だから日y……。

というわけで暇だ。

真由は友達と遊びに行ってる。

………

よし、僕も遊びに行くか!

いまだに誰もメッセージを送っていないLIMEのグループを開く。

ここはもう僕から送るしかない。

さて、なんて書き始めようか。

‘本日はお日柄も良く’

これじゃ結婚式だ。

カレンダーを見る。

仏滅だった。


‘本日は非常に天気が良く、空には雲ひとつない、まさに絶交のお出かけ日和でございます。’

“絶好”の変換をミスった。

絶交のお出かけ日和ってなんだ。

せっかく友達ができたのに出かけた先で友達無くしたくないわ!


悩みに悩んで


『週末何してますか?忙しいですか?す』


あぁ、打つ途中で送ってしまった。

すぐに続きを……

続きを打つ間も無く、すぐに……メール?で返事が来た。


『LIME乗っ取られた?』


『LIME乗っ取られましたか?』


ひどいや。


ちゃんとLIMEが乗っ取られていないことを説明して、今日遊ぶ約束をした。

……LIMEでの最初の会話が


『週末何してますか?忙しいですか?す』


『LIME乗っ取られてなかったんですね。良かったです』


『本当に良かったよ』


って……



2人が14時に僕の家に来て、それから遊びに行くことになった。

テスト勉強の息抜きも兼ねて。


『千堂さんはテスト大丈夫そう?』


『ピュ〜♪』


口笛を吹いているキャラのスタンプが送られて来た。


どうやらまた勉強会が必要みたいだ。


今が10時半くらいだから、まだまだ時間がある。

時間の潰し方なら任せろ!



たまったアニメを見る。

思えば今週はあれこれ忙しくて全然見れてなかったような……。

しかしそれが嬉しい!

初めての友達、しかも2人もできて、あれこれ考えるのはなんと素晴らしいことか!

友達、万歳!


……まぁ、それは別として今はアニメを見る。


13時半ごろに二階から2人が来るのが見えたので、急いで準備をする。

玄関に行くと、母が2人と話していた。


「初めまして、十宮君の友達の神谷那月といいます。学年は一つ上なんですが…」


「せ、千堂花音といいます!」


「蓮也の母です。うちの子と友達になってくれてほんとーーーーーーにありがとう。これからもよろしくお願いしますね」


「「はい!」」


「あら?あなたどこかで……あ、そうそうあの時の!」


「いえいえ、あの時は私の方こそ助けられまして……」



「母さん?何話してるの?」


「あ、蓮也、もうお友達来てるわよ」


スルーされた。



「いってきまーす」


「はい、いってらっしゃい」


友達と遊びに行くなんて、オラわくわくすっぞ!

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