第8話 隠された真実 Ⅰ

学園祭当日。

学園内は多くの人で溢れかえっていた。

学園のサークル活動や、(一応)警察学校特有のパフォーマンスとかで、集まる客は非常に多かった。


「はいお待ち!特製の水飴アートだよ!」


子供たちの歓声が響き渡る。


特撮ヒーローもののキャラの水飴フィギュアやらを、オレの能力スキルで練り上げる。(具体的に言うと、能力で砂糖やらデンプンを予め取り込んでおいて、それを練り上げ、形を整えるものだ。ゲル化するといい感じになるので覚吏にも高評価。)


「おにーちゃんかっこいー!」「もっとみせてー!」

「ざんねーん!これは一人づつなんだ!ほしかったらまた来年きてね!」

「わかった!」「ありがとー!」


とまあこんな感じで、オレは水飴の屋台を。


「みーんなー!今日は空の旅、楽しんでくれたかなー!?」

「「はーい!」」

「ありがとー!それじゃあお別れの時間だ!それじゃあみんな、またねー!」


「おにーちゃんありがとー!」「たのしかったー!」


エリックはみんなと一緒に空の旅を提供している。

なんでも、このために必死にトレーニングしてたとか。


「おまたせー!アイカちゃん人形ですよー?はいどうぞー!」

「おねーちゃんありがとー!」

「どういたしまして。大事にしてね?」

「わかった!」


稲志田は人形作りだそうだ。

その形に合わせて、繊維化させたものを組み合わせてるそうだ。

アイツの好きなものでやれるならテンションもあがるな。


・・・ところで、風環のやつ、最近顔出してないな。

用事があるから顔出せないって、先月末にも言ってたけどなぁ・・・・


「・・・すいません。」


そうこうしてる内に、新たなお客さんが。


黒髪ロングの女の子に・・・あれは・・・・?


「すいませ~ん!りんご飴ありますか~?」


ド派手なケダモノだなぁ・・・・さしずめニューハーフってやつか?


「はい、りんご飴ですね?少々お待ちくださ・・」

「その必要はない。」


そして、その女の子はその場で思いっきり振りかぶって・・・


ビュン!


りんごをこちらに向かって投げつけた。

「うおおおおおおおおお!?!?」


とっさにゲル化してりんごを取り込んでしまった。


「・・・チッ。」


今明らかに舌打ちしたよね!?


「も~う凛ちゃんったら、はしたないわよ~?店員さん怪我しちゃうかもしれないじゃな~い。」

「うっさい、景虎。第一こいつはそんなタマじゃないって知ってるでしょ?」

「そりゃあそうだけれど~。」


? ? ?


何を言ってるんだ?コイツら?


「あの~お客様・・・なにかご要望は・・・」

「早くりんご出せ。汚くないよう手から出せ。」


めちゃくちゃかよ!?


「は・・はい。かしこまりました。」


そして要望通り、手からコーティング済みのりんごを取り出した。


「お待たせしました・・・りんご飴でございます。」


「・・・・」


まさかの無言!?





「・・・あれ?なんか見たことがある顔が見えますね~。あっ、琉輝さん!こんにちは!」


「!?・・・・おまえは・・!?」


「お久しぶりです!ティアー・マーガレット。もとい!真登河帝亜まとがわてぃあと言います!明日からよろしくお願いいたしますね!!」


!?!?!?!?!?!??!?!?!!?!?!?!?!?!?!!?!?!?


「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?!?!?!?!?!?!?」


あーもうわけがわからねえええええええええええええ!!!!


「うっさい!!いいからまとめて倉庫部屋に行くぞ!」


「あらぁ~凛ちゃんったら、だいた~ん!」


「いいですね!パパにも伝えて、行きましょう!倉庫部屋!」


「真登河!?うちの母さんの苗字だぞ!?それにお兄ちゃん!?オレがお前の!?ってか親父も来てんのかよ!?」

「さぁさぁ、細かい話は部屋でしよー!」


圧倒的に思考がまとまらないまま、オレは部屋に向かうことに。









「改めて自己紹介させてもらう。あたしは馬場風環、もとい木戸川凛。そっちの見た目がうるさいのが・・・」

「鷲尾景虎、人呼んでミルフィーユ景虎!大葉啓二の本当のSU☆GA☆TA☆!!」

「そしてわたしが、あなたの妹の真登河帝亜。ママの苗字を受け継ぎ、パパのところでお世話になっております、花の19才です!」


「うん。まずどこからツッコめばいい?」

「わたしはパパが来るまで発言しません!なので景虎さんお願いいたします!」

「OK、OK、OK牧場!んなぁ~んっつて!」


ギャハハハハハ・・・・・




              うん。誰か助けて。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る