第3話 専門性

 自分ならではの売りがあると、それはすごく強みになる──よく目にする講評やアドバイスだ。


 実のところ、私自身は専門職なのでそれをベースにすることができれば、それなりにオリジナリティーを出すことは不可能ではない。


 この不可能ではないというのがポイントで、決してすぐに書けるということを意味しているわけではないのだ。

 たしかに専門性を活かすことができれば、それに越したことはない。しかし、問題はそれをエンターテイメントとしてどのように表現をしていくかである。ただ単に専門的な内容を並べ立ててもちっとも面白くはない。如何にして落とし込むかが肝要なのだ。


 たとえば専門的な知識を異世界に広めていくという内容をコンテスト主催者が求めているもののひとつに挙げているかもしれない。なるほど、それならと思ったこともあるが、きっかけやどのような構成にするかなど、考えることは山ほどある。

 しかも読者にとって惹きつけられるような魅力を盛り込まなければ、ただの専門書と同じようなものだ。これではつまらないこと請け合いである。


 こうして、ああでもないこうでもないとくすぶっている日々が続く──

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