桜の記憶

         ◆


 県立坂之宮さかのみや高校、二年C組。


 出席番号は二十番。


 入学当時、大した理由もなく写真部に入部したが、すぐに飽きてしまい退部。


 その後は帰宅部という魅力的な部に所属し、優雅な下校時間を堪能する日々を満喫中。


 一応というか何というか、知り合いが所属するミステリー&オカルト研究部なるものに勧誘されたりもしているのだが、正直ほとんど興味がないためこれは適当にあしらい続けている。


 因みに得意教科は国語で苦手教科は英語と歴史。


 と、学校内での自分を限りなく簡単に紹介するとしたら、こんな感じの説明になるだろうか。


 二学期開始と同時に行われた席替えで教室のほぼ真ん中にあった俺の席は窓際列最後尾に移され、俺は授業中のほとんどをぼんやりと外を眺めて過ごすという、極めて不健全な学校生活をおくっていた。


 今は昼休みの真っ最中。


 夢溢れる夏休みも無慈悲に終わりを告げ、憂鬱感に苛まれる日々をダラダラと過ごす毎日。


 適当に授業を聞き流し、友人たちとくだらない話で盛り上がるだけの、今までと何ら変わらない日常。

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