桜の記憶
暗くてはっきりとは確認できないが、段ボールかそれとも収納ボックスか、何か四角い箱のような物もたくさん積み重ねられている。
放棄された備品がたまたままとめられているだけ、と言われればそういうものかと納得もできそうだが、何故こんな三階の中途半端な場所に不要な備品をまとめなければいけなかったのかという疑問も浮かぶ。
(見ようによっては、人の生活するスペースにも見える)
子供の用意した秘密の隠れ家みたいな部屋、と例えるのもわかりやすいかもしれない。
しかし、こんな時間帯に子供がいるわけはない。
やはり浮浪者あたりが住み着いていたのかと、そんな判断を脳味噌が下しかけた瞬間。
「――!? うわぁ!」
突然、目の前に白い手が現れたかと思うと、俺の襟元を掴み強引に部屋の中へと引きずり込んだ。
あまりに唐突な展開に、なす術もなくバランスを崩し引っ張られた勢いのまま床に倒れてしまう。
肘を強く打ち付け痛みが走るが、気にしている余裕はない。
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