第4話 僕の自己紹介その2

 地政学的なお話はここまでにして、ここからは僕個人のお話をして行きますね。






 僕の家族は、両親と僕の三人だけ。その両親も、魔物討伐を担当している有志連合ゆうしれんごうギルドのメンバーでした。


 両親は家に帰ってくる事は少なく、ほとんど家事をしていませんでした。少ない休みに帰ってくると、武器や防具の手入れをして次の魔物討伐の作戦を練る。そして少しの間に寝起きをして、またすぐに出かける。そういう両親でした。

 赤ん坊の頃は隣近所に預けられ、物心つく頃までは、ご近所の親しい親戚にご飯をご馳走になったり大人に混じって遊んだり、そんな子供時代でした。

 そんな親元で育ったものですから、その子供もそんな環境が当たり前になってしまいました。分別がついて独りで動けるようになると、掃除・洗濯・炊事・買い出し、そういった家事一切を見て覚え、両親が帰ってきた時に快適にすごせるように、サポートに徹するようになりました。


 その頃からでしょうか。『自分の事は出来て当たり前。出来てかつ他人の補助をするのが、僕の役割』という自覚が出てきたのは。そこから派生して、他人の補助をする『サポート魔法』を専門的に習得して、討伐でも補助に回る事がほとんどになりました。


 そして魔物討伐を専門に行うチームの一員として、一応『臨時雇い』として参加する事になった訳です。







 魔物討伐を専門に行うチームは多数存在しますが、中でも特に功績を上げている人間を『勇士ゆうし』として称号を与え、国で重用ちょうようしています。

 彼らは七人いますので、『勇士七傑ヘプタグラム』と呼ばれています。僕はその七人のうちの1人のチームに雇われているのです。正式メンバーではなく、あくまで臨時雇いですが。


 そんな訳で、魔物討伐の依頼が入れば呼び出され、戦闘ではサポート魔法をフル活用し、それ以外の時はテントを建てたり食事を作ったり、依頼が終われば武器・防具のメンテナンスに奔走する。そんな日々を過ごしている訳なのです。





 ちなみに僕の外見ですが、黒髪短髪・身長はほどほどでちょっと細め。撫で肩が悩み所な体格です。黒い厚手の布の服の上から、茶色のなめし革の胸当てを装備し、同じなめし革の手甲てっこう脛当すねあて、革のウエストポーチに呪符をギチギチに詰め、少し反りのある片刃の短刀を装備しています。身軽に動けるよう突き詰めた装備です。

 少し装備が痛んでも、すぐに修繕できるのが利点ですね。お金もかからないですし、経済的です。

 ちなみにサポート魔法のほとんどは、特殊な動きも魔術杖スタッフも必要ないので、いつもは両手を空けられるようにしています。その方が、荷物を持ったりケガ人を介抱したり、他の動きができますから、利便性はいいですね。







 僕のお話はこんな所かな? なんとなく把握してくれれば大丈夫ですから。では、いつもの日常に戻ります。僕の物語、どうぞご笑覧して行って下さい。

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