27話〜探り現れ問いかける{★}
シロポメはブラットと翼のはえた黒猫の周りを、フワフワと交互に行き来しながら話しはじめた。
“では、ボクが知り得ることと、ブラットの心の中を少し探り分かったことを、お話しさせて頂きたいと思います”
そう言いシロポメは、ブラットの頭の上に乗り心の中を探り始める。
するとブラットは急に苦しみだした。
“うわぁ〜。な、なんなんだ!ハァハァ。これって……”
“これは、なるほどですね。ブラットにかけられた術が、あまりにも数が多く強力すぎて探るのが困難です”
“ハァハァ。じゃ、どうするんだ?”
頭を抱えながらブラットは、シロポメにそう問いかける。
シロポメはブラットの頭の上に乗ったまま、読み取れるものだけを探りはじめた。
“そうですねぇ。……”
そうシロポメが、なにか言おうとしたその時。ピカッと眩い光が辺り一面に放たれ、ブラットの意識世界を覆いつくす。
ブラットとシロポメと翼がはえた黒猫は、その光があまりにも眩しかったため、落ちつくまで目を閉じていた。
ブラットの意識世界を襲ったその光は徐々に消え、それと同時にフェリアの声が微かに聞こえてきた。
“……ブラット……。ブラット。……聞こえますか?”
“フェリア!うん。聞こえてる”
するとフェリアが、ブラット達の前に姿を現した。
“ブラット。ここにいたのですね。意識世界のどこにも、あなたの精神体を感じることができず。心配しました“
“ごめん、フェリア。心配かけて”
そう話をしているとシロポメはブラットの頭から離れ、フワフワと浮遊しながらフェリアの周りを一周する。
そしてシロポメは、フェリアの目の前まできた。
“これは運命の女神フェリア様。はじめまして、シロポメと申します”
“はじめまして、ご丁寧な挨拶ありがとうございます。私のことはフェリアと呼んでください”
“分かりました。それではフェリア。お聞きしたいのですが”
シロポメはフェリアに対しなぜか警戒している。
“聞きたいこととは?”
“ここはブラットの意識世界の中でも、他の者が容易に覗くことができない領域。ですが、どうやってここへ?”
“確かにおかしい。この領域にはいくら女神でも入れないはずだ”
そう翼のはえた黒猫が問うとフェリアは、そのわけを話しだした。
“その通りです。ここをみつけることは困難でした。ですが、ブラットの意識世界を探っていると。なぜか急にこの領域がひかり、発見することができたのです”
“そういう事ですか。ボクが、ブラットの心の中を覗こうとしたせいですね。そのため、この領域をみつけるだけではなく干渉することもできた”
“恐らくは、そうなのではないでしょうか。それはそうと、なぜブラットの心の中を覗こうとしていたのでしょうか?”
そうフェリアが聞くとシロポメは、ここまでの経緯を話しはじめた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます