18話〜オルフェの目論み
ガルドはレオルドの話を聞き少し考えた後、
「なるほどな。そうなるとこの城はシャインスプラウトの王が援助したという事か。」
(……だが、俺の素性をオルフェに聞いてはいねぇとは思うが。レオルドは何処まで知っている?)
「ええ、そうなります。そう言えば先程、通信用の水晶を使いオルフェにブラットの事を話したのですが。その時に、ブラットのフルネームを伝えたところかなり驚かれていました。」
「レオルド。何で驚いてたんだ?」
「それは、ブラットがガルド様の子供だった事と、後は何やら不思議な事をボソッと言っていました。」
「不思議な事?」
「確か、これはやはり運命なのかと。ガルド様はこの意味する事が分かりますか?」
「ああ、分かるが。フェリアは前から知ってたよな。」
「はい、知っていました。ですが、ガルドが隠している事も知っていましたので、敢えて言わずにいました。」
「なるほどな。だが、まだこれは話さない方がいい、それに今のブラットにはまだこの事を知らせねぇ方がいいだろう。それにレオルド、俺の心の中が覗けるならその意味する事が分かるとは思うがな。」
「……なるほど、分かりました。そういう事であれば、確かに今話すべきではありませんね。後1人の方にも。」
「レオルド!ハングの事気付いてたのか?」
「ええ、ガルド様に似ていましたので直ぐに分かりました。」
「そういう事か。だが、まさか今になってユリィナが……まぁこの事を考えても仕方ねぇ。それよりさっきの話を聞く限りじゃ。ブラットの事について何かオルフェは知ってるようだな。」
「恐らくは、そうかと思われますが。」
レオルドがそう言うとガルドは少し考えた後、
「レオルド。オルフェはブラットに会いたいって言ってなかったか?」
「そう言えば、1度会って話がしてみたいと言われていました。」
「そうか、やはり何か考えているのは間違いねぇな。」
「ガルド、それはどういう事なのですか?」
「悪い意味じゃねぇが。確か、オルフェは結婚はしてたが未だに子供がいなかったよな?」
「確かに、何故か子に恵まれてはいませんでしたが。……もしや、オルフェは先の事を考えこの城をブラットの為に作らせ、ゆくゆくは……。なるほど、そういう事だったのですね。」
「ああ、多分そうだろな。……運命か。俺はその運命に翻弄され続けてきた。もう沢山だというくらいにな。そしてしまいにはあの城のお家騒動にも巻き込まれた。」
「ガルド様が英雄王の座を降りた訳とはその事と関係があるのですか?」
「さあな。俺はあの頃の事を1番思い出したくねぇ。やな思いでしかねぇからな!」
「なるほど、そう言う訳であるならば追求しません。」
「ああ、すまねぇ。俺は明日ブラットの事を聞きにオルフェに会いにシャインスプラウトに行きたいと思っているが。恐らく俺1人だと暴走するかもしれねぇ。誰かと一緒の方がいいと思ったんだが。レオルド動けそうか?」
「……明日にはある程度動けるようになっていると思いますが?」
「そうか、そうなるとテレポート使うにも困難かもしれねぇな。ん〜そうなると、フェリアも行けそうか?」
「私は、出来るだけブラットの側にいたいと思っているのですが。」
「そっか……ん?なるほど、その手があったか。オルフェは、ブラットに会いたいと思っている。なら、ブラットに直接会わせるのもおもしれぇかもしれねぇな。それに、何か聞きだす事が出来るかもしれねぇしな。」
「確かに、それならフェリアも行けますし、オルフェが何を考えているかも分かりますね。」
「ああ、そういう事だ。」
「では、明日行くにしても、ブラットにこの事を話さなければなりません。」
「フェリア、確かに話さなければならねぇだろう。だが、全部話す必要はねぇ。ただ、この城の援助をしてくれた者に、お礼を言いに行くと話せば大丈夫だろう。」
そう言うとフェリアは頷いた。
そして、ガルド達3人は明日の事を話した後、ガルドとフェリアは自分の部屋へと戻った。
レオルドはそれを確認すると、横になりながら色々と考えたあと眠りについた。
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