第1章~波乱の幕開け

8話〜21人ここに集結


 ここはクレアロゼの名も無き城。あれからガルドはフェリアの所に行き、グレンの怪我の事を話した。フェリアはそれを聞き、急ぎリロ村に向かった。


 しばらくして、フェリアはグレンとビスカを連れ城に戻ってきた。


 その数分後、クレイデイルがレヴィとルルーシアと共に城に到着した。


 そして、皆が集まった事を確認すると、話し合いをする為、マリアンヌとジェシカとレフィカルは手分けして、皆に広間に集まるよう声をかけて歩いた。


 あの後、ジェシカとレフィカルは呼びにきたマリアンヌに無理矢理起こされ、渋々皆に声をかけて歩いていた。



 マリアンヌ達がこの城に到着した後、マリアンヌはジェシカとレフィカルがこの城にいる事を知り、3人がかり?いやマリアンヌが指示を出し、ジェシカとレフィカルが広間に円卓の上にテーブルクロスを敷き椅子を人数分並べた。



 そして、広間に皆が集まってきた。最初にヴィオレとギガドランを抱きながらヴィオレッタが入ってきた。


「ねぇ、ヴィオレッタ。もしかして、そのチビドラゴンって、ブラットが小さくしたっていう、あのドラゴンなのかな?」


「ええ、そうらしいですの。でも今は可愛いだけで何の危害も加えませんの。」


「……。」


 ギガドランは、ただヴィオレッタの喋りに圧倒され何も言えないでいただけだった。


「そうなんだね。でも確かに可愛いね。」


「……。」


 ヴィオレが頭を撫でるとギガドランは頬をうっすら赤らめていた。


 そして、ヴィオレとヴィオレッタは自分の名前が書かれた札のある席についた。


 その後から、サアヤとフリックとコトネが入ってきた。


「なるほど、ここで話し合いをするという事か。思っていたよりも広い部屋だな。」


「まぁ広間だからそうなんだろうけど。でも、さっきこの城少し探索して歩いたが、思っていたよりも広くって迷うかと思った。」


「確かに、城だから広いんだろうけど。外見じゃ分からないけど、中は広いっていうよりも複雑で場所を間違え迷子になりそうになるんだけど。」


「コトネ。お前が覚える頃には何年かかるんだろうな。その頃もうこの世に居なかったりしてな。」


「フ、フリック!それって私が一生覚える事が出来ないって事かなぁ。」


 コトネはフリック目掛け電撃を放とうとすると、


「やめないか!2人とも。それにコトネこんな所で魔法など放てば大変な事になる。フリック、お前も大人気ない、からかうのもその辺にしておけ!」


「はぁ〜い。まぁ確かにサアヤの言う通りだね。ごめんなさい。」


「そうだな。確かに俺も大人気なかったかもな。コトネ悪かった。」


 そしてサアヤ達3人も指定された席についた。


 その後から、フェリアとブラットと足を引きずりながらグレンが入ってきた。


「グレン。歩いて大丈夫ですか?無理に来られなくても良かったのでは?」


「いえいえ、このぐらい大丈夫です!それにフェリアが治療してくれた。それだけで治ったも同じ事です!」


「はぁ、それならそれで構いませんが無理はしないでくださいね。」


「はい!勿論です。」


「グレン。本当に大丈夫なのか?」


 ブラットは屈みグレンの痛めている右足を軽く触った。


「い、いてぇえぇぇ〜!!ブ、ブラット……何すんだ!?」


「ん?だってグレンが本当に治ったのかなって思ったから触ってみただけだけど。」


「……ブラット、あのな。痛いに決まってんだろうがぁ〜。普通そう簡単に治るわけないだろう。」


「そうだな。でもグレンなら治り早いかと思って。」


「ブラット……あのなぁ。まぁいいか、それよりそろそろ席に着こう。皆集まってきてるみたいだしな。」


 フェリアは2人のやり取りをみて、クスクスと笑っていた。


 そして、3人は指定された席に座った。


 その後からカトレアとビスカが一緒に入ってきてそれぞれ指定された席に座ると、すぐ後からガルドと帽子を深々と被ったグドルフマグドが入ってきて席を確認すると座った。


 そして、クレイデイルとレヴィとルルーシアが広間に入って来て席につき。


 その後、マリアンヌとジェシカが入って来ると、その後ろをレオルドを支えながらレフィカルが入ってきた。


「何で俺が、レオルドを支えながら歩かなきゃいけないんだ!」


「さあ、何ででしょうか?しかし、貴方は私にお金で雇われているのですよね?」


「……ああ、そうだな。でも、ここまでやるとは聞いてないけどな!」


「確かにそうですが、別にいいのですよ。辞めて頂いても。それに状況もかなり変わりましたからね。」


「あーえっと、それは……分かった。このまま続ければいいんだろう。仕事が無くなる方が辛いしな。」


 ジェシカは自分の席の前まで来るとレフィカルとレオルドの方を向くと、


「何を2人で出入り口で喋ってるの?皆もう集まって席についてるわよ!」


 ジェシカに言われレフィカルはレオルドを席まで支えながら連れて行き座らせると自分の席に座った。


 席は、ブラットを中心に円形に左からガルド、クレイデイル、カトレア、グドルフ(マグド)、ビスカ、ルルーシア、レヴィ、ヴィオレッタとギガドラン、ジェシカ、レフィカル、マリアンヌ、ハング、ヴィオレ、グレン、コトネ、フリック、サアヤ、ドルマノフ、レオルド、フェリアがブラット の右側に座り、円の中心にはシグムラカンとブルーノアがその様子を見ていた。


 皆が集まったのを確認すると、レオルドは杖を翳し城の結界を張った。


 そして、これから総勢21人による話し合いが始まろうとしていたのだった…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る