第37話

 7時が過ぎた頃、金太は自分の部屋でパソコンを立ち上げていた。まだ外は微かに明るさが残っている。

 どうしてもきょうメールしたかった。ノッポが福岡に行ってしまう前にというのもあったが、きょうのことをどうしても連絡したかった。


  ノッポへ

  元気してますか?

  きょうトウさんと出かけとった。そのときトウさんがすっげえヒントをくれた  んだ。

  それは、ノッポも気にしとった「1.0CM」のことなんだけど。

  トウさんがいうには、中学生へのなぞなぞだから、そんなに難しい言葉を使っ  てない。

  「CM」という言葉で中学生でいちばん身近なものは、「長さの単位であるセ  ンチ」じゃないだろうか、って。

  オレは出先から急いで帰って、トウさんと一緒に考えた。

  そしてひとつの仮設が生まれた。

  「1.0CM」というのは長さもしくは直径なのかもしれない。

  そこで、家中を探し回ったところ、なんと、マーカーペンの軸がぴったり1・  0センチだったというわけ。

  これが正解というわけじゃないんだけど、なんかのヒントになればいいと思っ  てメールしました。

                                 金太


 金太は、自分で作ったメールの文章を2回読み直してから送信ボタンを押した。

 その後、アイコとネズミにも同じ内容のメールを送った。

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