第9話 人間界からの脱走
人間世界から脱走中]
「後少しで人間世界の土地から出るぞ。」
「はぁ、はぁ。」
「疲れているかもしれないが頑張ってくれ!この国は情報が伝わるのが早い、もしもオスマンのことが報告されていたらこの道だって見張られてるかもしれないんだ。」
少しも失敗はできない、オスマンが捕まるとこなんて見たくない!
「!みんな黙って。」
「聞いたか?この近くの学校で事件があったらしいぞ?なんでも生徒が一人居なくなったから探していたら灰になった姿で発見されたらしい。」
「まじかよ…。」
「犯人がこっから逃げるかもしれないんだってさ。」
「だからここで見張りをさせられてんのか。」
「ま、どうせ俺たちは下っ端だしなー。」
「チッ、もうここまで来てんのか。」
「どうします?ソレイユは寝てしまいましたし…。」
「仕方がない。奴らが下っ端だったとしても魔法で小生たちに勝てる見込みはない。…だが、奴らが大人だとしても、ここでは勝てる。」
「頭?」
力では勝てないけど頭なら勝てるってこと?でも本当にできるのかな?
「あぁ、近くで何か異常があれば奴らは持ち場から離れる。その隙に行くんだ。」
「気をそらすってこと?でもどうやって…。」
「俺の炎とオスマンの氷の魔法で気をそらすのがいいんじゃないか?」
「なるほど…寒暖差を利用するってことか。」
「?寒暖差を利用するって言ったって…。」
寒暖差を使って何をするんだろう?
「例えばペットボトルの中に入っている水をオスマンの魔法で冷やした後に、チェストの魔法で急激に熱するんだ、そうすると密閉状態にあったペットボトルの中身が急な寒暖差に耐えきれずに破裂するんだ。
しかし…ここには水もなければペットボトルもないんだぞ?」
確かにそれなら気をそらすことは出来るけど、レオの言う通り密閉出来るものがないと無理だし…
「いや、ペットボトルなら俺が持ってる。水はどうせ凍らせるからそのままでいいだろう。」
「よし、それならできるな。」
[準備完了]
「行くぞ、オスマン。」
「はい。」
「氷の力の源よ、我が問いに答えよ、グラキエース。」
「よし、チェスト。」
「わかってるよ!」
「ん?おい!そこに誰かいるのか!」
まずい!
「急げ!」
「炎の力の源よ、我が問いに答えよ、フレイム!」
「そこから出てこい!」
見つかる!
<パーン!>
「!?、なんだ!」
「どうやら何かが破裂したらしい!見に行くぞ!」
「あぁ!」
「よし、今のうちに行くぞ!」
「あぁ。」
「えぇ。」
「はい。」
「うん。」
[森から抜けた後]
「なんとかなったな…。」
「一時はどうなるかと思った。」
本当に危なかった、後ちょっとでも遅かったら見つかっていたかもしれない
「先を急ぎましょう。一時的には安心ですが…ここも探せれるかもしれません。」
「オスマンの言う通りだな…おいレオ、この後はどっちに行くんだ?」
「あぁ、ここから東北の方に行くぞ。」
「東北というと、エルフの森の前にオプティルトの村があります。ですがあの村にいるオプティルトは人間を嫌っているそうですが…。」
人間を嫌っているオプティルト?でも人間はオプティルトと協力関係にあるんじゃ…
「あぁ、しかしあそこを迂回して行くわけにはいかない…。それこそオルム(悪魔)やフェード(妖怪)とかに襲われて終わりだな。」
物騒な世の中だなぁ…
「仕方がないってことか…レオ、道を教えてくれ。」
「わかった。ついてこい。」
5人はオプティルトの村へ旅立って行きました。
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