第6話  これからすべきことと、オプティルト



[魔法戦士が来た日から、3週間後、学校にて。]


「ホームルームを開始します。」




「生徒の皆さんにお知らせがあります。国内会議でオプティルトとの契約が、12歳からになりました。なので、みなさんには今日、相棒となるオプティルトを選んでいただきます。」




「みなさんはグループを作って特別室のオプティルトポータルからオプティルトの世界に行ってください。今日はグループでの自由行動です。」



[ホームルーム終了]



「まさかオプティルトとの契約年齢を下げるだなんて…。」


「それくらい政府も焦ってるんだろう。…まぁ、これはチャンスだな。」




「どういう事なの?チェスの言っていることが私にはわからないわ。」


「ソレイユ、よく考えてみろ、法的に12歳からが契約対象になったんだから俺らも契約できるってことだ。」




「確かに契約して魔法が使えるようになれば、僕たちが人間世界から抜け出すことは可能ですけど…。」


「じゃあ!魔法を使って行け「それは無理だと思います。」なっ!だって魔法さえ使えればあとは!」



「いくら魔法が使えたって僕たちはまだ子供、リズさんの言いたい事はわからないでもないですが…魔法の使い方に慣れてる大人に見つかってしまったら勝てる可能性は極端に低いです。…最悪の場合は僕たちのオプティルトとサヨナラをしないといけないかもしれないですし…契約を強制的に切られる可能性もあります。」




「最悪…俺らが世界樹の元に帰ることになるかもな…。」


「世界樹?」


「多分、ソレイユならわかるんじゃねえか?」




「えぇ…世界樹とはこの世界にある生命全ての誕生の地であり、そして帰るところでもある…前に本で読んだことがあります。」



「そんなことないんじゃない?…だって政府は私たちのような子供を必要としてるんじゃないの?」


「…今の人間世界のトップは…あるべき感情が壊れてると思われます…僕たちのような子供を必要としていても、自分に不利なことがあれば僕たちは消されてしまうでしょう。」




「つまり、私達がいますべきことは逃走経路を確保して、人間世界から脱出することなのね。」


「えぇ、ソレイユの言う通り、僕たちがすべきことはこの世界のマップを手に入れることと、必要な道具を確保したうえでの逃走でしょう。ですが、魔法が使えない状態で逃走する事は後々厄介なことになる可能性があるので、逃走するならばオプティルトとの契約後がいいでしょう。」




「とりあえず特別室に行くか。リズ、ぼーっとしてると置いてくぞ。」


「あぁ…うん。」




人間世界の政府の人たちは一体何を考えてこんなことをしているのだろう?こんなことをしたところで不幸の連鎖が広がるだけなのに…




[特別室到着]





「これがポータル?」



「こんなものから違う世界に行けるだなんて不思議だよな。」



「この世界には他にも色々な種類のポータルがあるそうですよ。」





世界中にポータルがあるのか〜





この世界にはいくつかポータルがあり、全て別々のところにつながっている。



しかし、このポータルがいつできたのか、はたまた作ることはできるのか?などはいまだにわかっていない。





「オプティルトと契約した後はポータルのことについても学ぶそうよ、まぁ、そもそも相性の合う子が見つかるかが心配なんだけどね。」



「?、オプティルトにも相性とかあるの?」





相性?誰でもいいわけじゃないのかな?





「ほら、僕たちはそれぞれ個性があったり性格がありますから。たとえばリズさんは元気な性格ですし、チェストくんはリアリスト、ソレイユはおしとやかでしょう?それと同じように、オプティルトにも性格だったり懐きやすさがありますからね。」





「なるほど。」





「リズのオプティルトは犬とかが良いかもね。」



「案外ユニコーンとかが似合ってるんじゃね?」





「なんで?」



「だってリズ、後先考えず突っ走るじゃん?ユニコーンはペガサスとは違って猪突猛進だからな。





「ちょとつもうしん?」



「目標に向かって、向こう見ずにまっすぐ進むことだよ。」





「私のイメージってそんな感じなの?」



「俺からしたらそうだな。」





そんなに突き進んでいるのかな?私って





「とりあえず各自でオプティルトを探しましょう。契約が済んだら魔法研究室で合流しましょう。」





「おっけー!」



「えぇ」



「そうだな。」





[ポータルに入り、それぞれのオプティルトを探し始めて10分後]





ポータルの先では緑豊かな、まるで幻想の世界のような光景が広がっていた。





「んー、なかなか相性のいい子が見つからないな〜。」



「ねえねえ!そこの人!」



「ん?あれ?犬のオプティルトだ。」





どこから来たんだろう?音沙汰もなく来たけど…





特に音を立てることもなくリズの前に現れた犬のオプティルト。





「失礼な!パムはただのオプティルトじゃないんだぞ!それにパムにだって名前がある!」



「ぱ、パム?えっと、とりあえず貴方の名前を教えてくれない?」





なんか困ってそうな顔してるな...





「パムの名前はパームだ!」



「パームって言うんだね!私の名前はリズ!」





「リズ、良い名前だね!自己紹介も済んだところで悪いけど、早速お願いがあるんだ。」



「パムと契約して欲しいんだ。君に魔法の力をあげる、その代わりにパムに協力して欲しいんだ。」





魔法をあげる?貸すじゃなくて?それに協力してほしいことって…





基本オプティルトとの契約では魔法を『あげる』と言うより『貸す』と言うことが多い。





「…わかった、だけど貴方の協力してほしいことの内容にもよるかな。」



「オーケー、それじゃあ協力してほしいことの内容を話すよ。」





「簡潔に言うと、この世界をあるべき形にする手伝いをして欲しい。今、この世界は種族同士が衝突していて、今にも争いが起こりそうな雰囲気だ…、そこで!君には争いを静めるためのお手伝いをしてもらいたい!」





争いを静める…つまり戦争を無くせるってこと?…そしたらお母さんも…





「わかった、貴方と契約する。貴方に協力する。」



「ありがとう!じゃあ目を閉じて………はい!契約完了パム!」



「もう終わったの?授業では契約した際は、とてつもない疲労感に見舞われるって言ってたけど…。」





「うん!パムは特別だからね!相手に負担をかけないようにするのも可能なのさ!」



「まだ実感が無いけど…とりあえず集合場所までいかないと、おいで!パーム!」



「パム!」




パームと契約を終えた私は、集合場所の魔法研究室に向かっていった。



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