2019/11/17 文則② 「と言った」
こんばんは、日曜日の月波です。
フォロー、いいね等、ありがとうございます。みんなで少し勉強して、カクヨムコンでいい文章書こうぜ、というこの企画(嘘です。カクヨムコン始まったら真面目に体験記になる予定です)、好評のようでうれしいです。
BOOKOFFに行きたいなぁと思いつつ、だらだらしております。(出版業界の敵だな)
うちの近所のBOOKOFFは閉店してしまったので、車でちょっと(軽く30分以上)行かなくてはいけなくて、ひとりで運転していくのも面倒だし(運転嫌い)、家族を誘ったらことごとく用事があったり、今は間に合ってると言われまして。今日は無理かな……。
昨日のnoteには書いたんですけど、国語辞典が欲しいのでした。ついでによく聞く類義語辞典なるものも見てみたいなぁなんて。
本は猛烈に積まれているので簡単には買えない感じです。
閑話休題。
文則! 文則2回目ですよ。
げえるさんのコメントにありました数字・英字半角、全角、漢数字問題。もやもやっとしてきたので、そうだ、こういう時はいつも蔵書にあたるじゃないというわけで蔵書をあたってみました。ちなみに既読のものは少ないです。積読です、ほとんど。コンテストに出すようになってから、積読が増えましたねぇ。よくないのはわかってるんですけどね、生活のリズムに読書が入ってないという。
まず、タイトルが横文字のもの、『1Q84』や『86――エイティシックス』、『4TEEN【フォーティーン】』、『魔法の色を知っているか?What Color is the Magic?』などは表紙は横文字。中には目次も横文字のものがありました。配慮されていていいなぁ。売れている作家だから許されるのではないかと疑ってみたり。
私事ですが、『17日後』という作品を縦書き前提のコンテストに出そうかと思っているのですが、応募する時は改題して『十七日後、わたしたちは』にしようかと思ったんですけど、これなら『17日後』のままでもいいんじゃないかなぁと思いました。けっこうわたしには重要な問題だったので、スッキリ。思い入れの強いタイトルなので、できればそのまま使いたかったので。
さてでは残りの問題、行ってみましょう!
まず、わたしの疑問から片付けてしまおう。
「あら草子ちゃん久しぶり。おさんぽ?」
と言った。(『神様のボート』江國香織著)
これは「」の後、一字下がりが基本みたいです。しかし、この表現は嫌われているようです。ほとんど使われていません。「」の後に「と」という形を嫌っているようです。
「なんだか不思議な眺めだね」
千秋が
のような? 「」の後には普通の地の文を持ってくることが多いようです。
「そうだ。考えてみるとあの時、花が咲いていたわ」
わたしの目の前には眩しいくらいの黄色が一面に広がったように思えた。
では「」の後に「と」を持ってくる場合、はどうするのでしょう?
①
「できないと思う」と沙羅ははっきり言った。(『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上春樹著)
「久し振りだから、
①のようなケースでは「」の下に続けて「と」を持ってきてしまいます。これは多いです。そして多くの場合、「」内の文章は簡素です。
それでは長い文章を「」に入れ、「と」と続く場合、どのような形が取られることが多いでしょうか?
②
「面白いなあ」と相手はいかにも面白そうに言った。「駅が必要だなんて、これまであらためて考えたことがなかったですね」(『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上春樹著)
村上春樹さんはこのような形の文を好んで(あるいは無意識に)使っているようです。これが村上さんの著作について言われるところの翻訳調というやつなのかなぁと思い、ちょっと探してみました。
『NHKテキスト 英語で読む村上春樹 世界のなかの日本文学「バースディ・ガール」 講師 辛島デイヴィッド 英文解説執筆 浅利庸子』という冊子がうちにたまたまありまして、そこからの引用になります。
【英文訳】
“I...think it should be all right,”she said.”I mean,if it really is just five minutes.”
【和訳】
「はい。ええ、たぶん大丈夫だと思います。あの、つまり5分くらいなら」
わたしは原著の「バースデイ・ガール」を持っていないので村上さんがこの場面をどう書いているのかはわかりませんが、②の文の形、この英訳とそっくりです。「she said(彼女は言った)」が文と文の間に入っている! これは英語では長い文章を嫌うってやつかな、と思います。全然、的外れだったらごめんなさい!
うーん、しかし今回はがんばっちゃったので、ここまでにしてげえるさんの疑問にあたる問題は次回に持ち越させてください。論文書けそうな勢いになってきた!
まるで蔵書が村上春樹ばかりのように見えますが、あながち間違っていません。読んだ本はほとんど片っ端から売り払ってしまうので特別好きな本、特別好きな作家の本(そして未読のもの)しか持たないようにしています。
なので蔵書は偏っています。
今回は手近にあった20冊くらいから調べました。個人的にはなかなか面白かったです。
それでは続きはまた!
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