第85話 自身の鍛錬と屋敷の完成

王妃様がプリンセスリンの調教を終えて王妃宮に戻られた後もセバスチャン達は引き続き調教を行い全ての厩舎で競走馬に認定されている全二十五頭の調教を終え其々馬達の手入れの後、夜の飼い葉付けを行い屋敷に戻る



屋敷に戻り自室で着換えを行っているとダイジンが訪れて「セバスチャン様、本日を持ちましてセバスチャン・ルクレール男爵邸の改修工事が終了致しました。明日より私とジャスミンで荷物の仕分けを行いますのでセバスチャン様には近日中にお時間を頂き調度品、自室の寝具等の買い物にお付き合いをお願いしたいのでございますが如何でしょうか?」


「分かったダイジン、日取りが決まったら伝えるので出来る準備から頼んでおく」


「畏まりましたセバスチャン様」


「後、食後に何時ものを行うから湯浴みは最後に行うので準備だけ頼むよ」


「相変わらず凄いですねセバスチャン様は。食べた後に少し休まれてからですがあのような激しい運動を行われるとは・・・では準備はエリアスに指示しておきます」


夕食時は父上と母上から独立し新たなルクレール家の誕生の祝いにと馬車と食器、銀製品をプレゼントされてその場でお礼を伝える。そして屋敷に引っ越しの際にお披露目を行う様に指示される。何でも独立した貴族の義務らしく王族を除く全ての貴族に案内を出すらしいのでその点も本家に居る間に父上達、ターシャからアドバイスを聞いて進めて行くことを翌日、ダイジンとジャスミンに伝える事にする



食後、紅茶を飲んでいる時に父上から「独立してからが大変だぞ。私の時は・・・・・」とお小言みたいに話し始めたので母上に「母上、今から何時ものを行うのですが今日は参加されますか?」と話すと母上から「アレをするようになってから腰痛が無くなり身体が軽くなったのよね。では着替えて来るからセバスチャン準備をしなさいね」


「はい母上」


上手く話を切り上げる事が出来たセバスチャンは(仮)執務室に向かい照明を点けて床にマットを広げる。準備が出来ると母上がターシャと共に現れ「では早速始めますよセバスチャン」


二人で行うのは柔軟体操、ストレッチ、バーベル上げを行うのに効率が良いので美容と腰痛予防にと母上に話したら二つ返事で一緒に行う様になった。まずは柔軟体操を行い身体をほぐしていき温まった所で二人でストレッチを行う。お互いを引っ張ったり股にある筋肉や筋を伸ばすために足の側面を相手の両膝に付けて徐々に広げて可動域を広げて馬に乗る為に必要な筋肉を鍛えている。しかしこの姿は他人には見せたくないなと思いながらセバスチャンは行っている。何しろ相手が母上だからでもある。続いて肩にバーベル用の鉄棒に二十キロの重りをセットしてスクワットを行う。五回を三セットで行う。補助にはターシャが付き母上はその間、重さ二キロのダンベルを下から上に引き上げる運動を十回を五セット左右で行っていた。お互いに終わると次に母上がスクワットを行うが鉄棒には重りを付けずに腰に保護用のサポーターを巻いてから五回を三セット行う。補助はセバスチャンが行い終わると水分補給を行う。レモンと蜂蜜を合わせて作った果実水でセバスチャンがジョエルに考案して作らせた物でルクレール家では人気のある飲み物だ



「いい汗かきましたね。セバスチャン、後は木馬で終わりよね」


「そうですね母上、モンキースタイルのフォームがしっかりして来たので一度、馬に乗って鞍や鐙の位置を再確認しましょう。以前より筋肉が付いてますので現在の鞍や鐙では合わない可能性がありますのでエイダン殿を呼んで見てもらいましょう」



「でもセバスチャンの知識でこれほど身体が変わっていくのを実感出来たから世の女性達にも広めたいわ。その為にセバスチャン、貴方からアイデアを出して欲しいの。化粧でなく身体を鍛える事で得られる美を」




そして二年後、この世界初のフィットネスクラブがルクレール家から発表され貴族や商人等の女性が挙って入会したのである。もちろん広告塔はミカエル・ルクレール公爵夫人であった

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