第15話 話が動き出す

話は予想以上の速さで広まる事になった




「セバスチャン、貴方面白い事を始めるようね。以前の貴方ならこんな事を考えたり

しなと思うのだけど。ビアンカには話をしているのよね?それなら話が早いから任せなさい」




母のミカエルが何と三日で領地から帰って来てターシャ以外の使用人は私とエリータを含めて一緒にカミナリを落とされた。家の主は父上がだその父上も母上には

頭が上がらない。ルクレール家最強の人物である




「ターシャ、馬車の準備をお願い。ビアンカの所に行くからお昼は準備しなくていいわよ。そのまま王宮に行くからよろしくね。セバスチャン、貴方は普通に仕事を

してなさい。一応、着替えは準備しておくのよ」




言うだけ言ってミカエルはハイクレア男爵邸に向かって行った





「相変わらず嵐の様な方だ。ある程度任せて大丈夫そうだな。ターシャ、私も行くからよろしく。今日は母上次第になると思うから食事は母上に合わせて準備して」





母上も馬に乗るのが上手で因みに私に乗馬を教えてくれたのは母上でまさか馬車で

無く乗馬で帰って来るとは領地で余程退屈していたと考えながら厩舎に向かう





『セバスチャン様おはようございます!昨日はお楽しみでしたか』




朝から品が無いけど元気なアイゼンから挨拶されて「アイゼンおはよう、君が

考える様な事は一切ないよ。それより昼から多分忙しくなると思うから気に

留めていてくれ」




全員が揃い朝のミーティング時に馬の訓練施設の話が進んで来た事を伝えると

昨日の今日でそんなことがあるのか?みたいな顔をしていたので又皆に報告

すると伝えて作業に移る




放牧作業中にアーサー近衛騎士団長が第三厩舎まで来られて「セバスチャン、話

があるのだが手は空くか?」と声を掛けられ手が空くと返事を行い執務室へ行く




「アーサー様、如何されましたか?早い時間に厩舎に来られるとは」




「セバスチャン、先日の訓練施設の件だが国王様からの許可が出た。話は国王様より

王妃様が決めたようで王妃様が直接話を聞きたいから本日の午後、ミカエル様と

一緒に王妃宮に参上するように伝達があったので伝える」




「セバスチャン・ルクレール、王妃様の命に従いミカエル・ルクレールと共に

王妃宮に参上致します」




「セバスチャン、それにしても異例の速さで話が進んでいるようだが私に話を聞かせてもらえるかな?」




「お察しされていると思いますが母上とビアンカ様に話をしただけです。話をした

翌日には王妃様に話が伝わり今日の王宮への参上に繋がっていると思われます」




「なるほどね。元王女様とその懐刀が話を進めているのであればこの速さは納得

ですね。王妃様が話を進めようとしている感があるので成功は確実そうだね」




「アーサー様、言われる程簡単な事ではないです。王妃様、母上、ビアンカ様が

組んでいますので問題なく進むかと思われますが一部の貴族の方が反対するのは

見えていますのでその方々を説得するのが今回最大の難関です」




アーサーは一言「着替えて行けよ」とセバスチャンに伝え執務室を出る




「しかし手紙を出して三日目でここまで進むとは話が魅力より退屈しているのが

正解なのかな。とにかく早めに作業を終わらせないといけないな」




執務室前の黒板に午後からの作業内容を記入してから放牧作業が終わり各自の作業

を行っていた全員を集め昼からの業務は黒板に記入している事、アイゼンの指示に

従い行動するように伝えライアン、ミシェルには選抜した六頭を放牧場外回りを

三周ずつさせるように指示を行い全員で午前中の作業を行う




「無理難題が出そうで怖いな。あの三人が揃っているとろくな目に合わないが今回は力強いと思いたいな」




セバスチャンは独り言を言いながら作業を行うのであった





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