第7話 スケジュール管理を行う(前編)
次の日。いつもより早い時間に起きて準備をしてから食堂に行くと
【セバスチャン様がこんなに早い時間にいらっしゃるとは外は雪が降っていないでしょうか?】とターシャから辛辣な言葉を投げかけられるが昨日の出来事の方が
酷すぎて大したダメージにはならなかった
「ターシャおはよう。当面朝は早く出るから早めに食事の準備をお願い出来るかな」
それを聞いたターシャは驚いた顔をしていたので競馬の話をすると納得して
【畏まりましたセバスチャン様。他の者にもそのように伝え徹底させます】
流石公爵家の家令なだけあるなと動きを見ながら思い、準備された紅茶を飲み
朝食を食べて頼んでいた昼食用のサンドイッチを貰うと足急ぎ王宮へ向かう
外は漸く日が昇り始めた所でこれなら昨日より作業が出来るなと考えながら
馬を走らせ行くと丁度裏門に厩舎の職員が来ていたので皆に挨拶をする
「みんなおはよう」
『セバスチャン様おはようございます!』
挨拶をした後、門を潜り第三厩舎に着いて自分の馬を馬房に入れ終わると皆を
集め朝礼を始める
「みんな改めておはよう。昨日はゆっくり出来たかな?」
『ありがとうございます。ゆっくり出来ました。ちゃんと酒を抜いてきましたぜ。
子供たちと遊べました。家の掃除が出来ました。自分の馬具の手入れが出来ました
庭の草むしりが出来たよ。久しぶりにお姉ちゃんの店に行けましたぜ』
約一名疑問を感じる返事が返ってきたが概ね皆が休めたようで今日からの業務に
頑張ってもらわないといけないからね
「では今日の業務を指示します。まず全員で馬を放牧地に出して馬房の掃除を行う。
昨日、寝藁は新品に交換したので糞尿で汚れている分を交換して下に新しい寝藁を
敷きその上に前の日の寝藁をかけてください。シュミットとタイムは放牧後に
放牧地の水飲み場の水を補充をお願いします。ミシェルとミアンは馬房の掃除後は
厩舎内の掃除、飼い葉桶の洗い物を行ってくれ。私を含む残りは放牧地の柵の修理
を午前中までに終わらせるように動いてくれ」
『了解しましたセバスチャン様』
全員返事をしてから業務に移り始め二十二頭の放牧が終わった時にリーダーである
アイゼンに声をかけ「私は少し執務室で午後からの業務の割り振りを考えるので
皆の指示を頼むね。すぐに終わるけど少しの間お願いね」
【畏まりましたセバスチャン様】
執務室に入り埃を被った大きな黒板を見つけたのでまず厩舎の邪魔にならない
執務室入口の壁に取り付ける。ここに各個人の一日の業務スケジュールを記入して
確認、行う、終了後に消して報告するを徹底させていく。
今まではセバスチャン含む全員が好きにやっていたので真面な業務が出来ていなかったのである。
今までが今までなので急にガチガチに固定しても出来ないだろうから見て見ぬふりをするのでは無く声をかけて聞く耳を持たないと部下が離れて行くので今後は
業務を常に一緒に行うと決めている。(セバスチャンの女性問題もあるので)
黒板に各担当業務を記入して柵の修理に戻るとアイゼンとバードンが言い争いを
している所に出くわす
「リーダー何度言ったら分かるのですか!釘は真っすぐ撃ち込まないと少しの
衝撃で取れたり折れるんですよ。斜めに打ったら二度手間じゃないですか!」
「バードンは細かいだよ~釘なんか打ち付ければいいじゃないか。早く終わらせて
次の作業をしょうぜ!」
お互いに言い分がありアイゼンは多く仕事をこなしたい気持ちがありバードンは
丁寧で尚且つ何度も同じ作業をしたくない気持ちをもっており早く仲裁に入らないと業務に差支えが出るので急ぎ足で二人の間に入りお互いの主張を聞き対応をする
「アイゼン、早く仕事を行う事はいい事で時間を考えて行動出来るのは流石リーダー
だが速さをばかりを求めて半端な仕事をしたら結局はまた近い内に同じ事をしないと行けない羽目になるのではないかな?」
「バードン、丁寧な仕事に釘を真っ直ぐ撃ち込まないと出る弊害を理解しているのは
十分凄いことだ。しかし丁寧過ぎて他の人よりかなり作業が遅れているのは反省する点だと思うだがどうかな?」
お互いの良い点、悪い点を指摘してここからがセバスチャンの仕事である。
「私から二人に言う事はお互いに良い点悪い点が分かっているはずだからそこは
言い合いをするので無く聞く耳を持ちアイゼンはバードンに時間の使い方を教え
バードンはアイゼンに釘が真っ直ぐ打つ方法を教えればお互いに知識、技量が
増えて作業の効率化が図れるのではないか?」
と話し伝えると妙に納得したようで直ぐに二人だけで無く修理作業に参加していた全員が集まりショートミーティングを行い情報、技術の共有化が出来ると直ぐに
作業に戻ると先程よりペースが上がり昼前には補修作業は終了していた
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