第3話 お城に着いたけど・・・・・

馬房の外に鹿毛の馬が鞍を乗せ準備されており馬自体が背が低いので手伝ってもらうことなく跨ることができた。これは元のセバスチャンの記憶と身体に染み付いているので問題なくこなすことが出来る。


ルクレール家の厩務員は祖父が騎馬戦で多大な功績を残しているので馬の扱いには他の貴族より手間をかけており体形や毛艶も素晴らしく家の仕事が認められて近衛騎士団の騎馬隊に所属になったのだが騎士とは名ばかりのである。


因みにセバスチャンの位はキングダム王国近衛騎士団第三師団所属騎馬厩舎長

である。長はついているがはっきり言って本当に騎士以下の扱いを受けている



城内の厩舎に向けて馬を走らせるが和雄の記憶には乗馬サークルで他人に手綱を引いてもらい乗っただけであり自分自身で走らせるのは初めてだがセバスチャンの身体が覚えているのでスムーズに馬を走らせる事が出来る



「これが騎手の目線か~」と少し感動と呑気な事を考えているがよくよく考えて見ると現在のサラブレッドに比べて背が低い事に気づき

「まだ走る馬や他種類の馬との交配を殆ど行っていないだろうから」

たしか戦国時代の騎馬武者の馬もTVで見るようなサラブレッドみたいに背は高くなかったと歴史の本で読んだような気がする事などブツブツ呟きながら城に向けて進む



約十五分で城門前までついたので城門を潜ろうとすると門番から

『貴様の入り口は裏口だろうが!馬臭い奴が正門から入るんじゃない!』ととんでもない勢いで怒鳴られ言われて不満だったが仕方なく裏門に回り厩舎に着いたが

近づくにつれて今まで経験した事の無い位の悪臭が漂っており手綱を牧柵に結んで

厩舎内に入ると信じられない光景がそこにはあった…



厩舎内の通路は汚れた寝藁や糞尿、ゴミが散らばっており馬房内は汚れた寝藁がそのまま放置され、馬体も汚れており所々汚れが固まっていて皮膚病になってもおかしくないレベルの汚れが放置されていて尚且つ飼い葉も水も殆ど入っていないので大切な馬が痩せておりもし戦争が起きたらどうするのかと心配を通り越して呆れてしまう。


「神様から競馬をと託されたけどそれ以前の問題じゃないか」

まずは厩舎の清掃と馬を洗いしっかり飼い葉を与えてからでないと話なんか進められないな。

まず通路の掃除から始めていくのであった



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