エピローグ

梨花りかさん、そちらのハサミとっていただける?」

「あ、はい、春子はるこさん」


「はい、みんなうまく進めてますか?」


「あのぅ、悦子えつこ先生、ここのところがどうもしっくりこなくて…ちょっと見ていただけますか?」


祐希ゆうきさんは甘えん坊さんね」

「あはは、やっぱ可愛いからつい許しちゃうわね」

塔子とうこさんひどーい、また、小動物みたいって言うんでしょ」


「あら、それは由緒ゆいさんに失礼よ」

「えっ、かおるさん、それって私も小動物ってこと?」


「あははは、まあ、いいじゃない、可愛いに変わりはないんだから」

「春子さん、それ褒めてないですから」


「うふふふ、まあまあ由緒さん」

「馨さんは美人だからいいですよねー」


「あら、それほどでも、ないわよ」

「あはは、やっぱ馨さんは動じない、さすが秘書室長!」

「まぁね」


「はいはい、おしゃべりはそのくらいにして、今日の課題、仕上げないと帰れませんよ」


「わ、たいへん!真面目にやらなきゃ」

「そもそも真面目じゃないの?」

「梨花さん厳しい!」

「祐希ちゃんが、あ・ま・い・の」


「あはははは」


自由が丘にあるフラワーアレンジメント教室は今日も七人の女性たちのおしゃべりで華やかに賑わっていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

小さな傷 美月 純 @arumaziro0808

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ