鑑識の鋏塚君の事件ファイル 最終章~エピローグ~鋏塚新次郎 【Final】

鑑識の鋏塚君の事件ファイルシリーズ

最終章~エピローグ~鋏塚新次郎<ハサミヅカシンジロウ>

『それぞれの道 Side鋏塚新次郎』

俺は秋庭署襲撃事件で大切な仲間を失った。1人は殉職。もう1人は精神的苦痛により退職ということになり、事件解決と言う喜びは皆無であった。


 あの屈強な鬼瓦さんが殉職し、いつもどこか豪快な入交さんがまさか依願退職してしまうとは今でも信じられない。入交さんは鬼瓦さんの殉職が心底辛かったに違いない。警察官なら現場からデスクワークまで皆が殉職の二文字を心のどこかで覚悟しながら仕事に臨んでいるものだと俺は勝手に思ってきた。

 

いざ自分がその立場に置かれたらどうするだろうか?入交さんが秋庭署と警察に別れを告げて去って行った。

「鋏塚新次郎、勤務で死ぬなよ。」

 去り際にそう囁いた入交さんはその時だけは今までの入交さんだった。


 しかし、視線を外した途端にストンとスイッチが切れたように気力が出なくなったようだった。


 入交さんお元気で________________________________


 刑事課では様々な事が目まぐるしく行われたらしいが鑑識課の俺にはその辺の情報は詳しくは入って来ない。大まかなところでは土井さんと佐古田さんの2人は交通課に異動が決まったそうだ。


 これで、俺が入交さんとかかわって築いてきた刑事課との繫がりは佐波読課長のみとなった。


 しかし、あの人はもう俺を刑事課の仕事に刑事ではない俺を使うことはないだろう。なんとなくだがそう感じる。


 そう、俺は鑑識の鋏塚新次郎。今までも、そしてこれからも。

(Side 鋏塚新次郎おわり)


鑑識の鋏塚君の事件ファイルシリーズ



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鑑識の鋏塚君の事件ファイル どら焼きパンケーキ中佐 @kotobukinatsuodorayaki

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