第9話 姉弟
私には、意地悪な根性の悪い子供に思えたあなたでしたが、弟を可愛がるところもありましたね。
お姉ちゃんらしく、弟の世話をしたり、遊ぶ姿を見る事もありました。
子供同士ですから、それは親との関わりとは違い、意地悪をされても、あの子はあなたをおねえちゃんおねえちゃんと慕っていました。微笑ましい幼い姉弟の写真もたくさん残っています。私も母親としてその姿をカメラのレンズ越しに幸せな気持ちでのぞいていたのでしょう。
きっと姉弟仲良く成長してほしいと願って。
けれど、本音を言えば、
あの子があなたから悪い影響を与えられるのではないかと、内心恐れていたのも事実です。
親の働いたお金で生活し、学校にも行かせてもらってる分在で、あなたは私の言うことを聞かず、勉強もせず、欲しい物の欲求が強く、生意気で、はっきり言って育てにくい子供でした。
私の可愛い息子が、あなたみたいに親をバカにしたような子になっては困るのです。
私は息子に「おねえちゃんのいうことを聞かないでね」とこっそり教えていました。
この可愛い純真な笑顔は私だけの宝物で有るべきなのです。
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