第2話 出会い

あの人の仕事を手伝いました。

それが馴れ初めです。


トラックに荷物を積んで、山を越えて運ぶのです。あの人と並んで座り暗闇の中を駆ける車に揺られ

そして恋をしたのです。

お互いに若く、ただ好き同士、一緒になれる事が幸せだと思っていました。


家柄を天秤にかけてみたらあまり釣り合いのとれる二人ではなかったのでしょう。

私達の結婚は、親には反対され、周りの人には心からの祝福はしてもらえませんでした。

それでも私は幸せになれると信じていました。

あとに引けないような意地もありました。


それはあなたが私のお腹にいたからです。


私はまだ23歳でした。


春が来る前に、あなたが生まれて来るはずです。

戸惑いながらも私は女として、母になる喜びに満たされていました。

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