長い長い話しになりますが あなたに話したい事があります
モリナガ チヨコ
第1話 相性
私が 私の思い通りにならないことが嫌いな事はあなたも重々承知なはずです。
あなたは、考えなくて良いのです。
私の言うとおりに言われた事をすればいいのです。
それなのに、なぜあなたはいつも、1つ多いか、1つ忘れるか、もしくはまったく私の意にそぐわない事をするのでしょうか。
だから私に睨まれるのです。
そして大きな声で出ていけと言われるのです。
あなたは私を睨み返し、泣きますが、私にはその事がまた気に触り、そんな時はあなたが心底嫌な存在に思えました。
なんと気の強い強情な子供なんでしょう。
少しも私に懐かず、憎しみを込めた目で私を見ていましたね。
だけど、本当に私はあなたを愛していました。我が子ですもの。
我が子を可愛いいと思わない親などいないのです。
お茶をもう一度。
湯呑みにたぷたぷになるほどのお湯を。
薄いお茶で良いのです。
勝手に新しい茶葉にしないでください。
言われたとおりに。
そうあなたは考えなくて良いのです。
親子にも相性というものがあるのです。
それを言うなら私とあなたは相性が合わなかったのでしょう。
あなたは私の思うような素直な子供ではなかった。自我が強く、自分の考えを優先させるようなところがありました。
それは、ほんの小さなうちから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます